在ルーマニア日本国大使館
Embassy of Japan in Romania

 

ルーマニアはテロやクーデター、民族紛争等はなく情勢は比較的安定しており、凶悪犯罪は多くありません。しかしながら偽警察官、ひったくり、スリ、置き引き等の財産犯罪が目立ちます。最近特に頻発している詐欺事例を次のとおり案内いたします。

~法外な料金を要求するタクシー~

 

1.ルーマニアの首都ブカレストでは、スリ、ひったくり又は窃盗などにより邦人旅行者が被害に遭う事例件が増加していますが、そのほかに発生件数が多い犯罪は、国際列車の駅であるブカレスト列車駅(ノルド駅:GARA DE NORD)付近で乗車したタクシー(または、「政府機関の車」であると案内された車)から不当に高額な料金を要求されるというものです。

 

2.犯行の手口

被害者のほとんどは、ブルガリアやハンガリーから列車でルーマニアに入国した邦人旅行者で、ノルド駅で下車した際に駅の構内で現地人風の男又はグループから声をかけられています。

その際、犯行グループは「ここはジプシーがたくさんいるから危ない。」、「最近日本のある県出身の若者が残酷に殺されたばかりだ。」、「私は政府の機関(または有名大学)で働いているから安心してくれ。」、「安い宿を紹介してあげる。」等、親切を装って話しかけ、仲間が運転しているタクシー等の車に旅行者を誘導します。その後、現金引出し機(ATM)のある銀行へ旅行者を連れて行き、現金を引き出させた後、市内にある普通のホテルへ連れていき、高額な料金支払いを要求します。

旅行者は、ルーマニアの通貨交換レート(1レイは約40円)が分からないまま料金を支払って、後から高額であったことに気づくということも少なくありません。

なお、このような犯罪は、現金を引き出す際に、クレジットカード等をスキミングされるおそれもありますので、十分注意してください。

 

3.防犯対策等

以下の点に常に留意してください。

(1)見知らぬ人物から親切に話しかけられても、相手にせず、不用意について行かないようにする。

(2)犯行グループは、一般的に信頼できそうな「大学教授(研究者)」や「政府の職員」であると名乗り、また、詐欺師と日本との関連性を強調し親近感を演出するので、そのような者が接触してきた場合はまず注意して接する。

(3)ブカレストのタクシーは運転席と助手席のドア面に1kmあたりの値段が表示されており、乗車の前に値段を確認する。2009年11月現在、1kmあたり約1.3~1.7レイが通常。

(4)被害者の多くは、列車を降りた直後に加害者から声をかけられているが、場合により列車内にいる間から接近してくる者もいるので、列車乗車中も注意する(最近では市内の観光地周辺でも被害が確認されている。)。

(5)いくつかの国を旅行する場合は、事前に訪問予定国の通貨レートを確認しておく。ルーマニアは2005年7月1日にデノミを行い「10,000レイ=1レイ」としたが、有名観光ガイドブックに引き続き古いレートが記載されていたので、その記載を元に高額な料金を請求され被害に遭ったという事例もある。

(6)現地に到着してから滞在先を決める場合は、犯罪者につけいる隙を与えることになるため、到着前に宿泊先を予約しておく。なお、安いホテルに宿泊する場合は、ホテルの中で盗難に遭う事件が発生しているので、多少値段は高くても、セキュリティのしっかりしたホテルを選ぶ。

 

4.参考

〇当館ホームページ ルーマニアの治安状況と防犯の手引き:

 http://www.ro.emb-japan.go.jp/consular_07_j.htm

〇外務省 海外安全ホームページ: http://www.anzen.mofa.go.jp/

                                 http://www.anzen.mofa.go.jp/i/(携帯版)

○在ルーマニア日本国大使館

  電話:(40-21) 319-1890, (40-21) 319-1891

  FAX(40-21) 319-1895, (40-21) 319-1896

 

(c) Embassy of Japan in Romania