私は今回が初めてのルーマニアでの在勤です。過去にはスイスの在ジュネーブ国際機関日本政府代表部にて勤務経験があり、ヨーロッパには多少の馴染みがありますが、ルーマニアという国と直に接するのは今回が初めてです。
私は、ルーマニアの将来像に大きな期待と希望を抱いています。ルーマニアは既にNATO及びEU加盟国であり、東欧及びバルカン地域の外交・経済分野等において重要な役割を担っています。2007年に麻生外務大臣(当時)が打ち出した「自由と繁栄の弧」についてもいち早く支持を打ち出した日本のよき戦略的パートナーでもあります。
これまでに日本は1989年の革命以降有償資金協力、草の根無償資金協力さらに技術協力を通じて多くの分野でルーマニアの発展と繁栄のために貢献してきました。文化面では文化無償資金協力や草の根文化無償資金協力を通じてアテネ音楽堂や国立音楽大学等、今までに計15の文化施設に文化関連機材の提供を行ってきています。一方、日本においてはルーマニア人留学生は熱心で優秀であるとの良い評判を大学関係者等多くの方々から聞いています。また、ITや数学分野でのルーマニア人の活躍や優秀な人材の多さについても高い評判があるようです。ルーマニアの潜在力及び日本とルーマニアの二国間関係の更なる発展の可能性は計り知れないものと思っています。
私自身としても、経済産業省中小企業担当時代に培った経験と知識を活かしながらルーマニアへの日本企業誘致等をはじめとする経済面での協力、それのみならず様々な分野での日本・ルーマニア間の協力関係のために尽力していきたいと考えています。
私は、ルーマニアへ着任する前に、日本にあるルーマニア料理レストランへ何度も足を運び、ルーマニア料理に舌鼓を打ちました。私自身、これから多くのルーマニアの方々と出会い、多くの地方を訪れて、まだ少ししか知らないルーマニアの「奥深い味」を探求しながら、このようなつながりをもっともっと深めていきたいと考えています。
駐ルーマニア日本国特命全権大使
東 良信
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