【津嶋大使と日本愛好家との懇談会】
在ルーマニア大使館ではルーマニアでは日本はどのようにとられているのか。
その将来はどうなるのか。どのような状況で日本大使館は活動すればいいのか。
これらの事を日夜考えています。
もとよりこれへの回答はあるときに一回与えられて解決するものではなりません。
日本大使館がある限り、日本とルーマニアの関係がある限り考え続けられなければならないでしょう。
その一助とするために、今般日本大使公邸に日本語専門家のアンカ・フォクシュネアーヌさん(ブカレスト大学)、オアナ・タルチニウさん(イオン・クレアンガ高校、第195番小中学校他)、濱田亜由美さん(同高校で日本語を教えるJOCV)、ブカレストの第195小中学校で囲碁を教えている2人の囲碁の先生のカタリン・ツァラーヌさんとラドゥ・ボテザット・アントネスクさんをお招きして今言ったような事について懇談しました。
そこでとりあえず分かったことを以下の通り参考までに申し上げます。
● ルーマニアでの日本愛好家は大まかに2つに分けられるようです。一つは、アニメやマンガなど日本の
動的なポップカルチャーが好きな人(若者が多い)で、もう一つは、茶道、生け花、伝統芸能、更に
現代文学や古典文学といった静的なものに惹かれる人に固まっているようです。(大学の日本語教師談)
● 当地においても日本アニメがきっかけで日本に興味を持ち始める人が多いようです。
現に、アントネスクさんは「ヒカルの碁」というアニメに影響され、碁をはじめたとのことです。
このアニメは元々日本の若者に碁を普及させるために放映されていたのですが、今では放映されている
諸外国の若者をも魅了しています。自分がその典型だと述べていました。
● 日本語学習者には、日本文学を原語で読みたいという直接的な動機による者もいれば、他方で、
日系企業への就職を考え勉強している者もいます。他の学部を修了した者でさえ、日系企業就職希望の
ために日本語を学び始める者もいます。このことは、日本の企業のルーマニア進出が増えればいいなぁ
という気を起こさせます。
● 日本語を勉強している稀な小中学校の一つに第195番小中学校があります。
約150人の児童・生徒が日本語を学習しています。そのうちの5~10%がイオン・クレアンガ高校
(日本語教育に力を入れている高校)に進み、この内さらにブカレスト大学等日本語教育機関で学習を
続ける者もあります。
また今回の懇談での参加者の一致した意見としては次の点が挙げられました。
●
日本大使館主催の文化事業の実施や当館館員とふれあう機会をより一層多く設けることで、
日本愛好家の日本への関心をさらに高めることが必要なこと。
●
大使館が後援する碁の大会(例えば、「大使杯」)を実施していくことで、ルーマニアにおける碁の
ステータス向上を図ることが必要。
以上、大使館が日本文化や日本語に対するルーマニア人の興味を把握したいという思いから
今回の開かれた懇談会を設けました。
ご意見等ありましたら、bunka@b.astral.roまでお願いします。

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