政府決定第553号(7月21日付けの政府決定第570号及び7月31日付けの政府決定第588号による改正を含む。)

令和2年8月3日
COVID-19パンデミックの影響を防止しこれに対抗するための警戒事態の延長及びその期間中に適用する措置に関するルーマニア政府決定2020年7月15日決定第553号
(7月21日付けの政府決定第570号及び7月31日付けの政府決定第588号による改正を含む。)
 
(当大使館注:政府決定第553号は,「政府決定第476号の改正」等の形で発出された決定ではないが、内容的には、大部分が政府決定第476号(政府決定第511号により改正されたもの。以下、便宜のため単に「政府決定第476号」。)の規定を維持しているので、この資料は、理解の便宜のために、以下、政府決定第476号の規定を基に、それからの変更点を赤色で示しつつ、作成した。
また、その後7月21日発令の政府決定第570号により行われた一部改正(改正箇所)を、以下の中の緑色部分で示した。)
さらに、7月31日発令の政府決定第588号により行われた一部改正(改正箇所)を、以下の中の水色部分で示した。)


前文(略)
 
第1条 政府決定2020年第394号で導入されて議会決定第5号で承認され,その後,政府決定2020年第476号で延長され,政府決定2020年第515号等で期間中に適用される措置が改正された、ルーマニア領土全体の警戒事態が,2020年7月17日より30日間延長される。

第2条 感染の防止及び制御の手段、適用の具体的条件,これらの措置の対象者、警戒事態期間中の措置の適用及び遵守を確保する実施機関及び公的組織は、以下に定める。
添付1 対応能力を高めるための措置
添付2 共同体の強靱性を高めるための対策
添付3 リスクによる影響を減らすための対策
 
第3条 緊急医療備蓄に関する2020年緊急政令第11号第7条、2020年法律第2 0号によって修正、補足された検疫の確立に関連する諸付属措置、諸リスクの制御に関する2016年政府決定第557号による修正及び補足を適用することにより、内務省次官、緊急事態総局長は、保健省と協力し、国家レベルの対応の一環として、行動指揮官の命令として、新型コロナウイルスの感染予防及び撲滅のために必要な措置を命ずる。
第4条 添付1~3に規定された措置の非遵守に適用され得る罰則の体系は、2020年 法律第55号第64条から第70条に定める。
第5条 添付1~3は、本決定の一部を成す。
第6条 2020年政府決定第394号(議会決定第5号で承認,政府決定第476号で改正)を実施するために発出された文書は,本決定の添付1~3の内容に反しない限り引き続き有効とされる。
 
首相 ルードヴィック・オルバン
(以下,各添付の内容要点)
 
添付1 対応能力を高めるための措置

第1条 法律第55号第5条(1)d),緊急政令2020年第70号等に基づく、救急車サービスの管理とローカル・ポリスの管理の継続の延長
第2条 法律第55号第5条(1)e)に基づく,県の保健局の許可の下での,介護施設等の機能の維持等
第3条 同f)に基づく,一時的な活動をする救急センターの活動の常設化等
第4条 第1条から第3条の管理当局を規定
 
 
添付2 共同体の強靱性を高めるための措置

第1条 法律第55号第5条(2)d)に基づき,保健大臣及び内務大臣合同令で定められた規定に基づき,屋内の公共の場所,商業施設,公共交通機関,職場におけるマスクの着用義務。
 
第1条の1(政府決定第570号による追加) 感染症及び生物学的なリスクがある状況での公衆衛生分野における措置の導入に関する法律2020年第136号第7条及び第8条に従い、隔離及び人の検疫を講ずることができる。

第1条の2(政府決定第588号による追加)
(1)法律第55号第5条(2)d)に基づき、市場、待合所(バスの停留所やホーム等)、海岸付近の遊歩道、祭礼や巡礼が行われる区域、観光施設の外等の屋外の公共の場所で、各県やブカレスト市の緊急事態委員会の決定によって定められた時間帯に、鼻と口を覆う形でのマスク着用を、5歳以上の全ての者に義務づける。措置が導入される時間帯及び場所は、人が多く集まることにより法律が定める衛生保護のための身体的距離の確保が困難な時間や場所が生ずる結果を考慮し、公衆衛生局の提案に基づいて指定される。
(2)上記(1)が規定する屋外の公共の場所の管理者や所有者は、各県やブカレスト市の緊急事態委員会に申請して、目に付く場所にマスク着用義務の情報を掲示する。


 
第2条 (政府決定第588号による改正) 第1条~第1条の2の措置の適用の実施は、保健省と内務省が管轄する。
 
添付3 リスク軽減のための措置

第1条 法律第55号第5条(3)a)に基づく,以下の措置
1 屋外における,集会,デモ行動,行進,コンサート,その他乗車のまま参加する集まり,屋内における文化,科学,芸術,宗教,スポーツ,その他の娯楽のための集まりの行事の、禁止。
但し、以下の2~11の例外を除く。
 
2 競技施設における,法律第55号第43条及び第71条に基づく青年・スポーツ大臣及び保健大臣の共同指令を遵守した訓練,競技等。
 
3 屋外又は屋内外のプールでのスポーツ競技は,観客の参加なしで、青年スポーツ大臣及び保健大臣の共同指令を遵守して、開催可能。

4 上記2の条件において,プロ選手の屋内外のプールにおける活動,また屋内での練習は,参加者同士の社会的距離を保ちつつ,一人当たり最低7平方メートルが確保された状態で、実施可。
 
5 上記2~4は,接触型のスポーツには該当せず。
 
6 法律第55号第44条及び第71条に基づく文化大臣及び保健大臣の共同指令を遵守した博物館,図書館,書店,映画館,映画スタジオ,コンサートホール,文化センター,その他民間団体を含む文化活動、屋外における公私の文化行事,フェスティバル等の実施。
 
7 上記6の条件の下で,ドライブイン・タイプのショーの開催が,各車両に乗車する者が同一家族の者である場合に限り、認められる。また,屋外でのショー,コンサート,公私のフェスティバル,その他文化行事の開催は,最大500名まで、着席、各座席の間隔が最低2メートル、マスク着用の下で、認められる。
 
8 屋内外における集団礼拝を含めた宗教行事は,集団礼拝を含め,法律第55号第45条及び第71条に基づく保健大臣及び内務大臣の共同指令を遵守して,行われる。
 
9 保健大臣と場合により青年・スポーツ大臣,水利森林大臣等とが定める共同指令を遵守したサイクリング,ウォーキング,ジョギング,カヌー,登山,狩猟,釣りなどで、最大10人までの人数が参加するものを除き、屋外で行われる個人的なリクレーション・スポーツの、禁止。
 
10 最大20人までで,社会的距離の規則に従って行われる行事を除き,屋内で行われる私的行事への参加の、禁止。
 
11 社会的距離の規則に従って行われる最大50人までの参加によるものを除き、屋外における行事の参加の、禁止。
 
12 保健大臣令で定められた社会的距離を遵守する形での,EU基金の事業を執行する目的のものも含めた、最大20名までの大人向けのトレーニング講座やワークショップの開催を、許可。
 
13 感染症医による監視の下での,最大200名までの安全保障・治安維持関連の組織による、関連の屋外行事の開催を、許可。
 
14 各国の大使館の所有する土地で,衛生確保のための規制を遵守し,参加者各人に最低4平方メートルの距離が保たれる形での,外交関連の屋外行事の開催を、許可。
 
第2条
(1)法律第55号第5条(3)b)に基づく,以下の措置
1 居住する市町村内において,同じ家族に属さない6名を越える人数による歩行やかかるグループの形成の禁止。
2 外国人及び無国籍の者の,国境を通過したルーマニアへの入国を禁止する。但し、以下の例外を除く。
a)ルーマニア国民の家族
b)ルーマニアに居住するEUの他の加盟国,EEA,スイスの国民の家族
c)長期滞在の査証,在留許可証若しくは当局が発行する同様の書類を所持する者,又はEUの法令に従って他国が発行した同様の書類を所持する者
d)医療分野,医療研究分野,老人介護分野,医療関係で必要な運送分野において,査証又は在留許可証で証明できるルーマニアへの出張を行う者
e)外交団,国際機関,軍人,人道活動を行う者
f)領事上の保護の合意に基づく者を含むトランジットの旅行者
g)重大な理由により旅行する者
h)国際的な又は他の人道上の保護が必要な者
i)勉学を目的として渡航する外国人及び無国籍の者
j)雇用が、経済的観点から必要でかつ延期できず,また外国で行うことも不可能な場合の,外国人及び無国籍の者の高度技能労働者
k)外国人及び無国籍の越境労働者,農業の季節労働者,船舶の乗組員
l)関係法令に従ってルーマニア国内で開催されるスポーツ競技会に参加する目的で渡航する、国際スポーツ代表団のメンバー
 
(2)上記(1)2は,国家レベルで相反する規制がない場合には、EUによって不可欠でない渡航規制の一時的な緩和が決定されている国から渡航する又は右の国に居住する外国人及び無国籍者に対しては,適用されない。


第2条の1(政府決定第570号による追加) 感染症及び生物学的なリスクがある状況での公衆衛生分野における措置の導入に関する法律2020年第136号第7条及び第12条に従い、地域的な検疫措置を講ずることができる。
 
(当大使館注:政府決定第476号で第3条であった規定は、この決定(政府決定第553号)では削除されており、政府決定第476号で第4条であった規定が以下の第3条として繰り上げられた。さらに、それ以降の規定も、条文番号が1条ずつ繰り上げられた。

また、政府決定第570号により上記の第2条の1の内容が追加された時にも、以下の第3条以降の条文番号には変更は加えられず、新たに設けられたな条文の番号は第2条の1とされた。

3条 法律第55号第5条(3)d)に基づく,以下の措置
1 法律第55号第37条に基づき,国立公共衛生研究所が指定し,国家緊急事態委員会が承認する,検疫/隔離措置の例外国に該当しない国との間での、全ての商用航空便の運航停止。

(当大使館注:政府決定第476号では、上記の第3条1(商用航空便の運航停止に関する規定)に続けて、第3条2(運航を許可する対象国に関する規定)が置かれていたが、これは、この決定(第553号)では削除されている。
また、これに伴い、政府決定第476号で第3条3であった規定が、この決定では以下の第3条2として番号が繰り上げられている。)
 
2 
上記1は、政府専用機,貨物・郵便航空機,緊急医療又は人道のための航空便,ルーマニア当局の要請に応じた救急隊,ルーマニア国内の企業の要請による技術的なチームの輸送等,チャーター便(詳細記載)等を除く。
 
4条 法律第55号第5条(3)e)に基づく,以下の国境地点の一時的な一部又は全部の閉鎖(ハンガリー,ブルガリア,ウクライナ,モルドバ共和国,セルビアとの間での該当する各国境地点を規定)
(当大使館注:原文では列挙して規定されている各国境地点の中では、セルビアとの間での二地点(ドロベタ・トゥルヌ・セヴェリン,オルショヴァ)が、政府決定第476号での規定から削除(これら二地点は、この政府決定第553号以降は、開放。)されている。)

5条 法律第55号第5条(3)f),第8条,第9条に基づく以下の措置
1 レストラン,ホテル,モーテル,ペンション,カフェ,その他の公共の場所における,屋内の共同スペースのテーブルにおける飲食物の消費を、停止する。
 
2 上記1の空間において,その場で消費されない食品の準備及び飲食物の販売は,許可。
 
3 屋外で,その目的のために設置された場所における飲食物の準備,販売,消費は,各テーブルの間隔最低2メートル、異なる家族の者は最大4名まで参加、保健大臣及び経済・エネルギー・ビジネス環境大臣等の共同指令を遵守の上で,許可される。

4(政府決定第588号による追加) テラス、ナイトクラブ、バー、その他同種の上記3が規定する場所で活動を行う経済主体は、ルーマニア国内の感染性が高い病気の管理に関する科学技術支援グループが提案し、国家緊急事態委員会が行う決定、又は各県やブカレスト市の緊急事態委員会が行う決定によって指定された、営業時間及び規則を守る義務がある。
 
5(政府決定第588号による追加) 上記4が規定する措置は、ウイルスの集中的な共同体内感染がある場合、又はSARS-COV-2ウイルスへの感染者数が増加している場合には、行政地域単位で決定される。
 
6(政府決定第588号による追加) 上記3が規定する場所で活動を行う経済主体は、客数及び座席数を減らし、また、客同士の身体的接触が想定されるいかなる活動も制限する義務がある。


6条 法律第55号第5条(3)f),第8条,第9条に基づき,ショッピング・モール内では,以下の活動は許可されない。
a)第5条3を除く,レストラン,カフェ,その他これに類するもの。
b)子供の遊び場,ゲームセンター,映画館の活動

7条 法律第55号第5条(3)f)に基づき,保健大臣及び運輸大臣の共同指令で定められた衛生規則の措置を遵守して,空路、鉄路、道路、水上の交通活動が行われる(詳細略)。
8条 法律第55号第5条(3)f)に基づく,以下の措置
1 屋内におけるプール,子供の遊び場,ゲームセンターの活動停止。
 
2 公共機関及び全ての企業が、法律第55号第13条及び第71条に基づいて発出された内務大臣及び保健大臣の共同指令を遵守して、入り口で従業員及び来訪者の確認・選別(トリアージュ)を行い,かつ手の消毒をさせる義務。
 
3 歯科医及びCOVID-19感染症に関係のない病院の活動は,法律第55号第71条に基づく保健大臣令を遵守して行われる。
 
4 ギャンブル,美容サロン,ホテル業,共同スペースにおける業務活動は,法律第55号第71条に基づく経済・エネルギー・ビジネス環境大臣及び保健大臣の共同指令を遵守して行われる。

4の1(政府決定第588号による追加) ギャンブルの活動を行う経済主体は、ルーマニア国内の感染性が高い病気の管理に関する技術科学支援グループが提案し、国家緊急事態委員会が行う決定、又は各県やブカレスト市の緊急事態委員会が行う決定によって指定された、営業時間及び規則を守る義務がある。措置は、ウイルスの集中的な共同体内感染がある場合、又はSARS-COV-2ウイルスへの感染者数が増加している場合には、行政地域単位で決定される。
 
5 屋外プール,スポーツ・ジムの活動は,法律第55号第71条に基づく青年スポーツ大臣及び保健大臣の共同指令を遵守して行われる。
 
6 温泉治療活動は,法律第55号第71条に基づく保健大臣令を遵守して再開される。
 
7 整備されている海岸においては,デッキチェアを設置するエリアは,海岸の面積の70%を超えないこと。
 
8 整備されていない海岸においては,立入りに制限はないが,家族以外の者との距離
を常に2メートルとること。
 
9 海岸においては,異なる家族の利用するデッキチェアの使用は、間隔を最低2メートル確保し,経済・エネルギー・ビジネス環境大臣,保健大臣,環境・水利・森林大臣の共同指令を遵守して、行われる。
 
9条 法律第55号第5条(3)f)及び第38条に基づく,以下の措置
1 夏期休暇の間の,保育園,幼稚園,アフタースクールの活動は,法律第55号第71条に基づく労働社会保障大臣及び保健大臣の合同指令を遵守して再開される。
 
2 教育機関においては,法律第55号第71条に基づく教育大臣及び保健大臣の共同指令を遵守して、試験及び特定活動を行うことができる。
 
10条 各条項の担当当局(省庁)