政府決定第782号
令和2年9月15日
COVID-19パンデミックの影響を防止しこれに対抗するための
警戒事態の延長及びその期間中に適用する措置に関する
ルーマニア政府決定2020年9月14日決定第782号
警戒事態の延長及びその期間中に適用する措置に関する
ルーマニア政府決定2020年9月14日決定第782号
(当大使館注:政府決定第782号は,「政府決定第668号の改正」等の形で発出された決定ではないが、内容的には、大部分が政府決定第668号(政府決定第713号及び同729号により改正されたもの。以下、便宜のため単に「政府決定第668号」。)の規定を維持しているので、この資料は、理解の便宜のために、以下、政府決定第668号の規定を基に、それからの変更を赤色で示しつつ、作成した。)
前文(略)
第1条 政府決定2020年第394号で導入されて議会決定第5号で承認され,その後,政府決定2020年第476号、同第553号、及び同第668号で延長された、ルーマニア領土全体の警戒事態が,2020年9月15日より30日間延長される。
第2条 感染の防止及び制御の手段、適用の具体的条件,これらの措置の対象者、警戒事態期間中の措置の適用及び遵守を確保する実施機関及び公的組織は、以下に定める。
添付1 対応能力を高めるための措置
添付2 共同体の強靱性を高めるための対策
添付3 リスクによる影響を減らすための対策
第3条 緊急医療備蓄に関する2020年緊急政令第11号第7条、2020年法律第2 0号によって修正、補足された検疫の確立に関連する諸付属措置、諸リスクの制御に関する2016年政府決定第557号による修正及び補足を適用することにより、内務省次官、緊急事態総局長は、保健省と協力し、国家レベルの対応の一環として、行動指揮官の命令として、新型コロナウイルスの感染予防及び撲滅のために必要な措置を命ずる。
第4条 添付1~3に規定された措置の非遵守に適用され得る罰則の体系は、2020年 法律第55号第64条から第70条に定める。
第5条 添付1~3は、本決定の一部を成す。
第6条 2020年政府決定第394号(議会決定第5号で承認,政府決定第476号で改正)を実施するために発出された文書は,本決定の添付1~3の内容に反しない限り引き続き有効とされる。
首相 ルードヴィック・オルバン
(以下,各添付の内容要点)
添付1 対応能力を高めるための措置 |
第1条 法律第55号第5条(1)d),緊急政令2020年第70号等に基づく、救急車サービスの管理とローカル・ポリスの管理の継続の延長
第2条 法律第55号第5条(1)e)に基づく,県の保健局の許可の下での,介護施設等の機能の維持等
第3条 同f)に基づく,一時的な活動をする救急センターの活動の常設化等
第4条 第1条から第3条の管理当局を規定
添付2 共同体の強靱性を高めるための措置 |
第1条 法律第55号第5条(2)d)に基づき、保健大臣及び内務大臣の共同指令で定められた規定に従い、屋内の公共の場所,商業施設,公共交通機関,職場におけるマスクの着用義務。
第2条 感染症的及び生物学的なリスクがある状況での公衆衛生分野における措置の導入に関する法律2020年第136号第7条、第8条及び第11条に従い、隔離及び人の検疫を講ずることができる。
第3条
(1)法律第55号第5条(2)d)に基づき、市場、待合所(バスの停留所やホーム等)、海岸付近の遊歩道、祭礼や巡礼が行われる区域、観光施設の外等の屋外の公共の場所で、各県やブカレスト市の緊急事態委員会の決定によって定められた時間帯に、鼻と口を覆う形でのマスク着用を、5歳以上の全ての者に義務づける。措置が導入される時間帯及び場所は、人が多く集まることにより法律が定める衛生保護のための身体的距離の確保が困難な時間や場所が生ずる結果を考慮し、公衆衛生局の提案に基づいて指定される。
(2)上記(1)が規定する屋外の公共の場所の管理者や所有者は、各県やブカレスト市の緊急事態委員会に申請して、目に付く場所にマスク着用義務の情報を掲示する。
第4条
(略(地方選挙関連の規定))
第5条 第1条~第4条の措置の適用の実施は、保健省と内務省が管轄する。
添付3 リスクの軽減のための措置 |
第1条 法律第55号第5条(3)a)に基づく,以下の措置
1 屋外における,行進,コンサート,その他乗車のまま参加する集まり,屋内における文化,科学,芸術,宗教,スポーツ,その他の娯楽のための集まりの行事の、禁止。
(当大使館注:政府決定第668号においては、上記の禁止の対象の列挙に「集会」も含めて規定されていたが、この政府決定(第782号)においては、「集会」の文言は削除された。)
但し、以下(2~18)の各場合は、上記の例外。
2 競技施設における,法律第55号第43条及び第71条に基づく青年・スポーツ大臣及び保健大臣の共同指令を遵守した訓練,競技等。
3 屋外又は屋内外のプールでのスポーツ競技は,観客の参加なしで、青年スポーツ大臣及び保健大臣の共同指令を遵守して、開催可能。
4 上記2の条件において,プロ選手の屋内外のプールにおける活動,また屋内での練習は,参加者同士の社会的距離を保ちつつ,一人当たり最低7平方メートルが確保された状態で、実施可。
(当大使館注:政府決定第668号においては、第1条5として、「上記2~4は、接触型のスポーツには、該当せず。」との趣旨の規定があったが、この政府決定(第782号)においては、この「接触型スポーツ」を除く規定は削除された。また、以下、規定の番号等が赤色になっているのは、政府決定第668号の規定の番号を今回の決定で整理したこと等によるもの。)
5 法律第55号第44条及び第71条に基づく文化大臣及び保健大臣の共同指令を遵守した博物館,図書館,書店,映画スタジオ,映画館,劇場,文化センター,屋外における文化行事等の実施。
6 上記5のうち映画館、劇場の活動は、所在する県の直近14日間の人口1,000人あたりの新規感染者数(以下、「新規感染者数/14日・1000人」)が1.5人以下の場合に、最大収容人数の50%を超えない形で、許可。
7 「新規感染者数/14日・1000人」が1.5人以下であった県で、「新規感染者数/14日・1000人」が1.5人より多くなった場合には、同県内での上記6が規定する文化活動の実施の可否は、各県の緊急事態委員会が判断できる。
8 「新規感染者数/14日・1000人」が1.5人より多かった県が、「新規感染者数/14日・1000人」が1.5人以下になった場合には、上記6が規定する文化活動の実施の可否は、各県の緊急事態委員会が判断できる。
9 上記5の条件の下で,ドライブイン・タイプのショーの開催が,各車両に乗車する者が同一家族、又は異なる家族であれば三名まで、の場合に限り、認められる。また,屋外でのショー,コンサート,公私のフェスティバル,その他文化行事の開催は,最大500名まで、着席、各座席の間隔が最低2m、マスク着用の下で、認められる。
10 屋内外における集団礼拝を含めた宗教行事は,集団礼拝を含め,法律第55号第45条及び第71条に基づく保健大臣及び内務大臣の共同指令を遵守して,行われる。
11 保健大臣と場合により青年・スポーツ大臣,水利森林大臣等とが定める共同指令を遵守したサイクリング,ウォーキング,ジョギング,カヌー,登山,狩猟,釣りなどで、最大10人までの人数が参加するものを除き、屋外で行われる個人的なリクレーション・スポーツの、禁止。
12 最大50人までで,社会的距離の規則に従って行われる行事を除き,屋内で行われる私的行事への参加の、禁止。
13 社会的距離の規則に従って行われる最大100人までの参加によるものを除き、屋外における行事の参加の、禁止。
14 保健大臣令で定められた社会的距離を遵守する形での,EU基金の事業を執行する目的のものも含めた、屋内最大50名、屋外最大100名までの大人向けのトレーニング講座やワークショップの開催を、許可。
15 感染症医による監視の下での,安全保障・治安維持関連の組織による、関連の屋外行事の開催を、許可。
16 各国の大使館の所有する土地で,衛生確保のための規制を遵守し,参加者各人に最低4平方メートルの距離が保たれる形での,外交関連の屋外行事の開催を、許可。
17 以下の措置を遵守する形で、最大100名までの集会、デモ行動の開催を、許可。
a)全参加者の、鼻と口を覆う形でのマスク着用
b)集会、デモ行動の場所に到着する全ての者の手の消毒
c)参加者間の身体的距離1m、可能であれば一人あたり4平方メートルの維持
d)集会、デモ行動の最中に物を配布する者の手の消毒
e)SARS-Cov-2ウイルスの感染拡大予防のため、集団及び個人の衛生規制の適用
18 法律第55号第5条(2)d)に基づき、保健大臣及び内務大臣の共同指令で定められた規定に従い、選挙活動を安全に実施するために、選挙活動の遂行者に以下の措置の確実な遵守を義務づける。
a)行事の参加者全員が鼻と口を覆う形でマスクを着用。
b)行事会場に入る全員が、トリアージュを受け、手の消毒を行う。
c)路上での行事又は家庭訪問形式の活動を含めて、行事参加者間の身体的距離を最低1mあける。
d)行事会場の目に付く所に、個人の保護とアクセスに関する情報を掲示。
e)行事が屋内で行われる場合には、最大参加人数50名、最長2時間まで。
f)行事が屋外で行われる場合には、行事の開催場所の範囲を見てわかるように示し、最大参加人数100名、1名につき4平方メートルを確保。
g)路上で行われる行事の場合、一つのグループに最大6名まで。
h)家庭を訪問する場合、訪問者の最大人数は2名まで。
i)選挙公約の資料を配布する者の手の消毒。
j)SARS-Cov-2ウイルスへの感染及び感染拡大の防止のため、集団及び個人の衛生措置を適用。
第2条
(1)法律第55号第5条(3)b)に基づく,以下の措置
1 居住する市町村内において,同じ家族に属さない6名を越える人数による歩行やかかるグループの形成の禁止。
2 外国人及び無国籍の者の,国境を通過したルーマニアへの入国を禁止する。但し、以下の例外を除く。
a)ルーマニア国民の家族
b)ルーマニアに居住するEUの他の加盟国,EEA,スイスの国民の家族
c)長期滞在の査証,在留許可証若しくは当局が発行する同様の書類を所持する者,又はEUの法令に従って他国が発行した同様の書類を所持する者
d)医療分野,医療研究分野,老人介護分野,医療関係で必要な運送分野において,査証又は在留許可証で証明できるルーマニアへの出張を行う者
e)外交団,国際機関,軍人,人道活動を行う者
f)領事上の保護の合意に基づく者を含むトランジットの旅行者
g)重大な理由により旅行する者
h)国際的な又は他の人道上の保護が必要な者
i)勉学を目的として渡航する外国人及び無国籍の者
j)雇用が、経済的観点から必要でかつ延期できず,また外国で行うことも不可能な場合の,外国人及び無国籍の者の高度技能労働者
k)外国人及び無国籍の越境労働者,農業の季節労働者,船舶の乗組員
l)関係法令に従ってルーマニア国内で開催されるスポーツ競技会に参加する目的で渡航する、国際スポーツ代表団のメンバー
m)契約、法的文書に基づきルーマニア国内で行われる文化関連の活動に参加する、映画制作関係者、技術・芸術関係者
(2)上記(1)2は,国家レベルで相反する規制がない場合には、EUによって不可欠でない渡航規制の一時的な緩和が決定されている国から渡航する又は右の国に居住する外国人及び無国籍者に対しては,適用されない。
第3条 感染症及び生物学的なリスクがある状況での公衆衛生分野における措置の導入に関する法律2020年第136号第7条及び第12条に従い、地域的な検疫措置を講ずることができる。
第4条 法律第55号第5条(3)d)に基づく,以下の措置
1 法律第55号第37条に基づき,国立公共衛生研究所が指定し,国家緊急事態委員会が承認する,検疫措置の例外国に該当しない国との間での、全ての商用航空便の運航停止。
2 上記1は、政府専用機,貨物・郵便航空機,緊急医療又は人道のための航空便,ルーマニア当局の要請に応じた救急隊,ルーマニア国内の企業の要請による技術的なチームの輸送等,チャーター便(詳細記載)等を除く。
第5条 法律第55号第5条(3)e)に基づく,以下の国境地点の一時的な一部又は全部の閉鎖(ハンガリー,ブルガリア,ウクライナ,モルドバ共和国,セルビアとの間での該当する各国境地点を列挙)
第6条 法律第55号第5条(3)f)に基づく以下の措置
1 「新規感染者数/14日・1000人」が1.5人以下の県において、レストランやカフェ又は類似の施設の屋内席での飲食物の消費を、許可。
2 「新規感染者数/14日・1000人」が1.5人以下の県のホテル等の各種宿泊施設内にあるレストランやカフェの営業再開を、許可。
3 「新規感染者数/14日・1000人」が1.5人より多い県では、ホテル等の各種宿泊施設内にあるレストランやカフェの営業は、当該ホテルの宿泊客のみを対象として、可。
4 「新規感染者数/14日・1000人」が1.5人以下であった県で、「新規感染者数/14日・1000人」が1.5人より多くなった場合には、上記1及び2が規定する活動の規制や活動の禁止の判断は、各県の緊急事態委員会が行える。
5 「新規感染者数/14日・1000人」が1.5人より多かった県で、「新規感染者数/14日・1000人」が1.5人以下になった場合には、上記1が規定する活動の再開の判断は、各県の緊急事態委員会が行える。
6 上記3及び4の規定に基づき、上記1及び2が規定する経済主体による活動に対して規制がある又は禁止されている場合に、その場所で消費されない飲食物の提供は、許可される。
7 上記1及び2が規定する活動を行う経済主体は、各種大臣令及び法律第55号第71条(2)で規定されている義務を守る必要がある。
8 屋外席での飲食物の準備、販売、消費は、各種大臣令及び法律第55号第71条(2)で規定されている公衆衛生に関する規定を遵守する形で、異なる家族の場合には、一テーブルあたりの着席人数を最大6名とし、テーブル間の距離を最低2m確保する場合に、許可される。
9 上記1、2及び8の活動を行う経済主体は、ルーマニア国内の感染性が高い病気の管理に関する科学技術支援グループが提案し、国家緊急事態委員会が行う決定、又は各県やブカレスト市の緊急事態委員会が行う決定によって指定された、営業時間及び規則を守る義務がある。措置は、ウイルスの集中的な共同体内感染がある場合、又はSARS-COV-2ウイルスへの感染者数が増加している場合には、行政地域単位で決定される。
10 上記1、2及び8が規定する場所で活動を行う経済主体は、上記7の規定に基づき、客数及び座席数を減らし、また、客同士の身体的接触が想定されるいかなる活動も制限する義務がある。
11 バー、ナイトクラブ、ディスコの活動は、禁止。
第7条 法律第55号第5条(3)f),第8条,第9条に基づき,ショッピング・モール内では,子供の遊び場、ゲームセンター、バー、クラブ、ディスコの活動は、禁止。
第8条 法律第55号第5条(3)f)に基づき,保健大臣及び運輸大臣の共同指令で定められた衛生規則の措置を遵守して,空路、鉄路、道路、水上の交通活動が行われる(詳細略)。
第9条 法律第55号第5条(3)f)に基づく,以下の措置
1 屋内におけるプール,子供の遊び場,ゲームセンターの活動停止。
(当大使館注:以下で規定の番号が赤色になっているのは、政府決定第668号での条文番号をこの決定で整理したことによるもの。)
2 賭博場の営業権がある経済主体による活動は、「新規感染者数/14日・1000人」が1.5人以下の県内の場合に、許可。
3 「新規感染者数/14日・1000人」が1.5人以下であった県で、「新規感染者数/14日・1000人」が1.5人より多くなった場合には、賭博場の営業の規制や活動の禁止の判断は、各県の緊急事態委員会が行える。
4 「新規感染者数/14日・1000人」が1.5人より多かった県で、「新規感染者数/14日・1000人」が1.5人以下になった場合には、賭博場の営業再開の可否の判断は、各県の緊急事態委員会が行える。
5 公共機関及び全ての企業が、法律第55号第13条及び第71条に基づいて発出された内務大臣及び保健大臣の共同指令を遵守して、入り口で従業員及び来訪者の確認・選別(トリアージュ)を行い,かつ手の消毒をさせる義務。
6 歯科医及びCOVID-19感染症に関係のない病院の活動は,法律第55号第71条に基づく保健大臣令を遵守して行われる。
7 ギャンブル,美容サロン,ホテル業,共同スペースにおける業務活動は,法律第55号第71条に基づく経済・エネルギー・ビジネス環境大臣及び保健大臣の共同指令を遵守して行われる。
8 賭博場の活動を行う経済主体は、ルーマニア国内の感染性が高い病気の管理に関する技術科学支援グループが提案し、国家緊急事態委員会が行う決定、又は各県やブカレスト市の緊急事態委員会が行う決定によって指定された、営業時間及び規則を守る義務がある。措置は、ウイルスの集中的な共同体内感染がある場合、又はSARS-COV-2ウイルスへの感染者数が増加している場合には、行政地域単位で決定される。
9 屋外プール,スポーツ・ジムの活動は,法律第55号第71条に基づく青年スポーツ大臣及び保健大臣の共同指令を遵守して行われる。
10 温泉治療活動は,法律第55号第71条に基づく保健大臣令を遵守して行われる。
11 整備されている海岸においては,デッキチェアを設置するエリアは,海岸の面積の70%を超えないこと。
12 整備されていない海岸においては,立入りに制限はないが,家族以外の者との距離を常に2メートルとること。
13 海岸においては,異なる家族の利用するデッキチェアの使用は、間隔を最低2メートル確保し,経済・エネルギー・ビジネス環境大臣,保健大臣,環境・水利・森林大臣の共同指令を遵守して、行われる。
第10条 法律第55号第5条(3)f)及び第38条に基づく,以下の措置
1 保育園,幼稚園,アフタースクールの活動は,法律第55号第71条に基づく労働社会保障大臣及び保健大臣の共同指令を遵守して再開される。
2 教育機関においては,法律第55号第71条に基づく教育大臣及び保健大臣の共同指令を遵守して、試験及び特定活動を行うことができる。
第11条 各条項の担当当局(省庁)