新型コロナウイルスに対してルーマニア政府が行う検疫と隔離の措置

2020/10/13
新型コロナウイルスに対してルーマニア政府が行う検疫と隔離の措置
(内容要点、具体的に何が起こるのか、PCR検査の受検先等)
 
 
(以下は,新型コロナウィルスに係る検疫と隔離のしくみが決定された(法律第136号)7月時点で最初に掲載したものです。その後の改正や追加に応じて多少更新してありますが,感染状況等について古くなっている部分については,御容赦下さい。)
 
検疫と隔離についての現行制度は、7月21日発効の法律第136号を中心とする法令体系によって構成されています。
同時に、これらに規定された措置の内容や手順等は、人権等との適切な均衡を確保すること等も重視して、多少複雑なものになっています。以下で、これら法令上の定義や内容、実際に何が起きるのか等の概要を,御案内します。また,関連で,PCR検査を受けるための代表的な連絡先等を、併せて御案内します。
なお、以下に条文番号の言及がある各規定を含めて、上記の法体系の中で重要な規定と考えられるものを、別紙の資料に列挙してあります。併せて参考として下さい。
 
1.検疫と隔離の意味
「検疫」は感染が疑われる者について、また「隔離」はPCR検査で陽性である者等について治癒と感染水準低下を目的として、いずれも物理的に隔てることを,言います(法律第136号第3条等)。
 
2.検疫
(1)検疫の対象は,ア)感染症的リスクが高い地域から入国する人、又はイ)感染が確認されている人と接触した人、のいずれかとされています。
上記ア)の「感染症的リスクが高い国」とは,直近の14日間の人口10万人当たり新規感染者数(以下,「新規感染者数」)がルーマニアより多い国とされています。
保健省国立公衆衛生研究所のウェブサイト参照(http://cnscbt.ro/index.php/liste-zone-afectate-covid-19/1890-lista-state-cu-risc-epidemiologic-ridicat-25-07-2020/file
なお,最近の感染状況においては、日本からの渡航者が上記ア)に該当することになる可能性は低いかもしれません。他方で,ルーマニア国内では,上記イ)の「感染者と接触する機会」は,継続して高いものと見られます。
 
(2)感染者が確認された場合に、公衆衛生局によってこの感染者との接触者と認定されると,後者(接触者)は、自宅又は自ら指定する場所で,検疫措置に置かれることになります。
自宅(家族、同居人がある方は,当該家族、同居人も一緒に検疫に置かれます(保健大臣令第414号第1条(2))。)又は自ら指定する場所での検疫措置を拒否する場合や(家族への感染の危険の回避を意図する等述べる場合も含む。),自宅又は指定する場所での検疫措置を遵守しなかった場合には,当局が指定する施設での検疫措置に置かれます(法律第136号第5条(3),保健大臣令第1309号第2条(3))。
 施設での検疫についての決定は公衆衛生局の代表が行いますが,この決定書が発出されるまでの間,医師や公衆衛生局代表の同意なしに自宅等の検疫の場所から離れることは,禁止されています。
 
(3)検疫の期間について,法律(法律第136号)では具体的な定めがありませんが,関係の保健大臣令によれば14日間となっています(保健大臣令第414号第1条(4)、第1条2の2)。また,施設検疫の「決定」通知には期間が明記されることになっているので,その期間を確認することが必要です。
万一検疫対象者となり、その期間中に症状が現れた場合には,家庭医又は112番に電話して下さい。PCR検査を受けて,以下3の隔離に移行,病院に搬送されることになります(保健大臣令第414号第1条(4)、第6条(1))。
 他方,無症状で14日間経過した場合には,検疫は,特段の手続きなく解除となります(保健大臣令第414号第1条(4))。なお、ブカレスト市又は県の公衆衛生局から検疫終了を証明する「疫学的証明書」を取得することが可能です。
 
(4)検疫措置には,その後,感染の状況や経済社会面等での必要性に応じて,種々の例外や詳細(期間,対象者等についての例外等)が定められています。別紙の関連箇所(国家緊急事態委員会の決定第47号,同第48号,同第49号によるもの)をご参照ください。
 
3.隔離
(1)隔離は,PCR検査が陽性又は新型コロナウイルスの症状がある者に対する措置です。
 
(2)まず,検査の実施とその確認のために,本人の同意の下で,ア)保健相が指定する衛生施設、イ)その他の公私立病院の隔離病棟、ウ)その他の代替施設、エ)自宅、のいずれかにおいて,48時間待機することになります。本人の同意がない場合にも、一定の要件の下に、最大48時間の実施が可能です。
 
(3)48時間以内に感染を他者に伝播させる危険性が確認された場合には,医師が隔離延長勧告を出すことになります(法律第136号第8条(4),保健大臣令第1309号第4条(3))。また,48時間後にその他の状態である場合にも,同様に医師の指示に従うことになります。
隔離措置(隔離の延長)に置かれる場合には,治療を受けます。
 
(4)その後,隔離の終了は,医師が,問診や検査の結果,治癒を確定することによって,行われます(法律第136号第8条(8),保健大臣令第1309号第4条(8)及び(10))。
 
4.PCR検査
(1)なお,自ら疑わしく思う症状があって,PCR検査を受けようと思う場合には,ブカレストでは,私立のサナドール病院(電話021-9699),レジナマリア病院(電話021-9268)等に予約をして,300レイ前後で比較的簡単に検査を受けることができます。
また,ルーマニア全国のPCR検査実施機関は,以下をご参照ください。
http://www.ms.ro/centre-testare/ 文末の“Lista Laboratoare”をクリックしてください)
 
(2)検査結果が陽性の場合には,公衆衛生局に自動的に通報され,その後対応が指示されることになっていますが,連絡が無い場合には,公衆衛生局(ブカレストの場合には代表電話番号:021 252 79 78。メールアドレス:dspb@dspb.ro)に直接連絡するか,112に電話して下さい。
また,万一,感染が確認された場合には,当大使館にもお知らせいただけますよう,お願いします。
 
5.異議の申立て
検疫・隔離の措置によって自己の正当な権利が侵害されたと考える場合には,管轄の裁判所への異議の申立てができます(法律第136号第15条,第16条)。