新型コロナウイルス感染のルーマニアにおける現状等について(号外:12月8日の感染状況及びイエロー・ゾーンの更新)

令和2年12月9日
【ポイント】 
●12月8日発表の一日当たりの新規感染者数は,7,000人台と減少傾向に転じていますが,一日当たりの死亡者は最多を更新しており,各地で引き続き高い感染率が続いています。また,集中治療室の患者数が1,200人以上となっており,引き続き病床数の逼迫が心配される状況です。
●特に,ブカレスト市周辺部での感染者数の増加には注意が必要で,18の町村で,検疫措置が導入されています。また,ブカレスト市の新規感染者も1,946人/日となっており十分な注意が必要です。
●12月5日から,ルーマニア入国に際して14日間の自主隔離が必要なイエロー・ゾーンの対象国・地域が更新されました。
●国家緊急事態委員会決定第57号により,学校のオンライン授業が23日まで延長されました(12月23日から1月10日は冬季休暇期間となります)。
●現在の警戒事態は,12月13日までとなっていますが,14日以降もさらに30日間延長される見込みです。
●4日,ワクチン接種計画に関する政府決定第1031号が発出されました。
 
【本文】
1.12月8日13時時点での内務省傘下の戦略コミュニケーション・グループの発表によれば,ルーマニア国内での新型コロナウイルス感染者数は,累積524,675名,前日からの増加7,439名。また死亡者数は,累積12,660名で,前日からの増加は213名となり,これまでの最多を更新しました。集中治療を受けている患者は,4日に1,275名,5日に1,280名,6日に1,289名と最多を更新した後,本日も1,276名となっており,病院の集中治療室の病床が逼迫する状況となっています。感染して治癒した者の数は,累積416,797名。検査は,29,151件(累計約429万件)が行われました。
引き続き,マスク着用,手洗い励行,人混みを避ける等の最大限の注意をしてください。
 
以上の統計は,ルーマニア保健省国立公衆衛生研究所の以下のウェブサイトから最新情報が確認できます。
https://instnsp.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/5eced796595b4ee585bcdba03e30c127
 
2.各地域の感染状況
(1)地域的な検疫措置
ア 直近14日間の1,000人あたりの感染者数の割合等が多い44か所以上の自治体では,域外との申立書なしの往来の原則的な禁止,夜間(22時から翌日6時)の外出禁止等の検疫措置が実施されています。
関係する方は,十分に注意してください。
 
12月8日現在の,ルーマニア政府作成による検疫措置に置かれている全国自治体の最新リストはこちら。
https://www.igsu.ro/Resources/IU/Ordine/1607351901238.pdf
 
イ ブカレスト市郊外で感染者数が増えており,8日現在,人口1,000人あたり多くの感染者となった以下の18の町村に検疫措置が導入されていますのでご留意ください。
ベルチェニ(Berceni),クリンチェニ(Clinceni),キアンジュナ(Chianjna),ブラガディル(Bragadiru),オトペニ(Otopeni),モゴショアイア(Mogosoaia),コルベアンカ(Corbeanca),ドブロエシュティ(Dobroesti), マグレレ(Magurele),ポペシュティ・レオルデニ(Popesti-Leordeni),オストラトゥ(Ostratu),ペトレシュティ(Petresti), タマシ(Tamasi),フンデニ(Fundeni), アルニシュ(Alunisu), ドゥミトゥラナ(Dumitrana),プルーニ( Pruni), ヴルテジュ(Varteju)。
なお,オトペニについては,国道1号線は封鎖されておらず,空港利用者はチケット等を提示することで通過可能と報道されています。
 
(2)本日の時点で,直近14日間の1,000人あたりの新規感染者数の割合が3人を超えている自治体は,以下のとおりです(カッコ内が,それぞれの当該人数。)。
イルフォブ県(7.32人),コンスタンツァ県(7.13人),
ブカレスト市(6.56人),
クルージュ県(5.59人),ブラショフ県(5.05人),
シビウ県(4.64人), アルジェシュ県(4.42人),
アラド県(3.93人),ビホール県(3.92人),
ティミシュ県(3.92人),アルバ県(3.78人),
ガラーツィ県(3.37人),カララシ県(3.34人),
プラホヴァ県(3.32人),ヤロミツァ県(3.28人),
ブライラ県(3.27人),トゥルチャ県(3.21人),
ジュルジュ県(3.20人),フネドアラ県(3.15人),
サトゥマーレ県(3.09人)。
 
 皆様におかれては,引き続き十分な感染症防止対策を心掛けてください。
 
3.「イエロー・ゾーン」の改訂
(1)ルーマニアへの渡航者が入国後に14日間の検疫(自主隔離)に置かれる渡航元のリストが,国家緊急事態委員会決定第56号により更新され,12月5日以降は,以下の27の国・地域からの渡航者が対象になります(同決定に基づき同日国立衛生研究所が指定した「イエロー・ゾーン」)。
 ただし,入国日から90日前までの期間に,新型コロナウイルスに感染していないことがわかることが証明(病院などによる陰性証明書)できれば,検疫の対象外となる免除規定が追加されています。
→上記赤字部分を原文で再確認したところ,以下の内容が正しいことが判明しました。お詫びして訂正いたします。
 
「隔離の例外について,以下の(5)と(6)が導入される。
(5)入国前90日間に,新型コロナウイルスに感染した事実が確認できる者で,最初に陽性結果となった後,入国前に14日間以上が経過しているのであれば,隔離義務の例外となる。
(6)入国前90日間に,新型コロナウイルスに感染した事実が確認できる者と接触したことがある者も同様に,感染者が最初に陽性結果となった後,入国前に14日間以上が経過しているのであれば,接触した者も隔離義務の例外となる。」


ア 変更は,以下のとおりです。
(ア)削除(3か国・地域)
グアム,フランス,ボスニア・ヘルツェゴビナ
(イ)追加(3か国)
 キュラソー,スウェーデン,コソボ
 
イ 対象渡航元リスト
アンドラ,チェコ,フランス領ポリネシア,アルメニア,ルクセンブルグ,スロベニア,スイス,リヒテンシュタイン,モンテネグロ,ジョージア,
クロアチア,ポーランド,北マケドニア,ポルトガル,オーストリア,
サンマリノ,イタリア,ブルガリア,ハンガリー,ヨルダン,リトアニア,セルビア,米国,デンマーク(注),キュラソー,スウェーデン,コソボ。
(注:国家緊急事態委員会決定第36号による検疫措置の例外は,デンマークには適用されません。)
 
本リストは,以下のルーマニア保健省国立公衆衛生研究所のウェブサイトから最新情報を確認できます。
https://www.cnscbt.ro/index.php/liste-zone-afectate-covid-19/2137-lista-state-hotarare-cnsu-nr-56-din-04-12-2020/file
 
(2)「イエロー・ゾーン」の対象となる国・地域との間では,商用航空便の運航が原則停止されます。ただし,EU加盟国及び(現在対象地域ではありませんが,対象に入った場合でも)英国(アラブ首長国連邦及びカタール)との間では,運航可とされています。
 
4.学校オンライン授業の延長
 7日,国家緊急事態委員会決定第57号により,現在実施されている学校のオンライン授業が23日まで延長されました。なお,公立学校の冬季休暇は,12月23日から1月10日までとなっています。
 
5.警戒事態の延長
 4日,アラファト国家緊急事態庁長官は,来る13日に期限を迎える警戒事態を,14日から更に30日間延長する意向である旨発言したと報道されています。また現時点では,追加措置等についての情報はありませんので,現在の規制がそのまま継続するものと思われますが,詳細については判明次第追ってご案内いたします。
 
6.4日,ワクチン接種計画に関する政府決定第1031号発出され,官報に掲載されました。ワクチン接種は,2021年1月から開始し,希望者に対して無料で行われます。ただし,接種する優先順位は,以下のように決められています。
第1段階:医療従事者,ケアセンターのスタッフ
第2段階:65歳以上の高齢者や慢性疾患があるなどのリスクが高い者。議員・政府関係者・公共交通機関や施設の従業員などの,生活に必要不可欠な人材。
第3段階:一般国民。
なお,外国人についての明示的な規定はなく,外国人への接種は想定されていない模様です。確認でき次第ご案内いたします。
 
【問い合わせ先】
在ルーマニア日本国大使館領事部
電話:+40-21-319-1890
メール:consular@bu.mofa.go.jp