感染症広域情報:サル痘の発生状況(サル痘を風土病としない複数国での発生)(その6)

令和4年6月17日

●世界保健機構(WHO)は、6月17日、サル痘ウイルスを風土病としない35か国からサル痘ウイルスへの感染症例が確認されている旨発表しました。WHOでは更なる調査を進めております。

 また、チリの保健当局より、感染症例が確認された旨発表されています。 

●現在有効な予防法としては、症状のある者やサル痘を有する可能性のあるげっ歯類等のほ乳類との接触を避け、石けんやアルコールベースの消毒剤を使用した手指衛生を行うことが推奨されています。

●サル痘を風土病としており2022年1月以降も感染症例が確認されているアフリカ6か国(カメルーン、中央アフリカ、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、ガーナ、ナイジェリア)、また、WHO及び各国保健当局によってサル痘ウイルスが最近確認された36か国(アルゼンチン、ブラジル、カナダ、メキシコ、米国、ベネズエラ、モロッコ、アラブ首長国連邦、オーストリア、ベルギー、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ジョージア、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イスラエル、イタリア、ラトビア、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、豪州、チリ)に渡航される方は、特に感染予防にご留意ください。なお、それ以外の国・地域に渡航される方についても、今後渡航先において感染が確認される可能性があるところ、感染予防にご留意願います。

なお、今般のサル痘の世界的な感染拡大を受けて、WHOは6月23日(木)に緊急委員会を開催し、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」に相当するかどうかを検討する予定です。

 

○6月17日付WHOによる発表(英文)

https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/2022-DON393

 

1 サル痘の発生状況

 世界保健機構(WHO)は、6月17日、アフリカ6か国及びサル痘ウイルスを風土病としない35か国から、計2,000件を超えるサル痘ウイルスへの感染症例が確認されている旨発表しました。また、これに加え、チリの保健当局より、感染例が確認された旨発表しています。感染症例の多くはヨーロッパ地域(84%)が占めています。また、なお、サル痘を風土病としない国・地域からの死亡者はまだ報告されていません。WHOでは更なる調査を進めています。

 

2 サル痘について

 (1)概要

サル痘はリスなどのげっ歯類が自然宿主として考えられ、天然痘同様の症状を伴う急性発疹性疾患です。従来、アフリカに発生する風土病であり、2022年1月以降、カメルーン、中央アフリカ、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、ガーナ、ナイジェリアにおいて症例が報告されています。

(2)症状

潜伏期間は5~21日(通常は6~13日)、致死率は数%~10%と報告されています。初期症状は、発熱、悪寒、背中の痛み、筋肉痛、リンパ節の腫れ等であり、発熱後1~3日で特徴的な発疹が顔や四肢に現れ、口の中や性器、目にも発疹が現れることがあります。臨床的には天然痘と区別が困難です。

(3)予防法

サル痘の流行地では以下のような感染予防対策を心がけ、感染が疑われる場合には、直ちに医師の診察を受けてください。

●症状のある人の飛沫・体液等との接触を避ける。

●石けんと水、またはアルコールベースの消毒剤を使用した手指衛生を行う。有症状者が使用した服、寝具、タオル、食器等に触れる際は特に手指衛生に気をつける。

●サル痘を保有する可能性のあるげっ歯類等のほ乳類(死体を含む。)との接触を避け、野生の狩猟肉(ブッシュミート)を食べたり扱ったりすることを控える。

●イベント等、大勢の集まりに参加する場合は、人と適度な距離を取ること。

(4)治療

  対症療法

 

(参考)

○厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/monkeypox_00001.html

 

○厚生労働省検疫所

https://www.forth.go.jp/news/20220521_00001.html

 

○国立感染症研究所

https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/408-monkeypox-intro.html

 

3 在留届及び「たびレジ」への登録のお願い

 海外渡航前には、万一に備え、家族や友人、職場等に日程や渡航先での連絡先を伝えておくようにしてください。3か月以上滞在する方は、緊急事態に備え、必ず在留届を提出してください。

https://www.ezairyu.mofa.go.jp/RRnet/index.html

また、3か月未満の旅行や出張などの際には、海外滞在中も安全に関する情報を随時受けとれるよう、外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録してください。(詳細はhttps://www.ezairyu.mofa.go.jp/tabireg/index.html 参照)

 

(問い合わせ窓口)

○外務省領事サービスセンター

  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1

  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902、2903

 

(外務省関連課室連絡先)

○外務省領事局政策課(海外医療情報)

  電話:(代表)03-3580-3311(内線)4919

○外務省 海外安全ホームページ: http://www.anzen.mofa.go.jp/

        (携帯版)  http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp

 

○在ルーマニア日本国大使館領事部

電話:+40-21-319-1890

メール:consular@bu.mofa.go.jp

 

各国の在外公館は以下の外務省ホームページをご参照ください。

○外務省ホームページ:在外公館リスト

https://www.mofa.go.jp/mofaj/link/zaigai/index.html