日本とルーマニアの二重国籍者がルーマニアを出入国する際の注意点

令和6年1月15日
 日本国籍者が日本のパスポートを持ってルーマニアに90日より長く滞在する場合には、ルーマニア移民局から滞在許可証を取得する必要があります。しかし、日本とルーマニアの二重国籍者(以下、「二重国籍者」という。)については、ルーマニア当局にとっては自国民であるために、滞在許可証が発給されることはありません。そのため、二重国籍者がルーマニア滞在中は、ルーマニアの出生証明、身分証またはパスポートを所持することでルーマニア人として滞在することとなります。

ここで注意を要するのが、日本のパスポートを提示してルーマニアに入国した二重国籍者が、ルーマニア人として長期間滞在したのち、日本のパスポートでルーマニアを出国しようとする場合です。出国時にルーマニア当局からオーバーステイを指摘され、出国することが出来なかったという事例が散見されています。
二重国籍者がルーマニアに長期間滞在する場合には、ルーマニアに入国する際は、ルーマニアのパスポートを使用するよう注意して下さい。

この際の注意点は次のとおりです。

●ルーマニアでは、人身売買の防止等を目的とした法令により、18歳未満のルーマニア国籍をもつ未成年者が両親権者の同伴なく出入国する場合、「親権者による出入国同意書」を国境警察に提示することが義務づけられています。親権者が両親の場合(両親が離婚していない場合)は、両親双方からの同意が必要です。同意書は、ルーマニア国内で作成する場合は公証人役場にて、ルーマニア国外で作成する場合は、最寄りのルーマニア在外公館にて、親権者が直接出向いて作成する必要があります。最近の法律改正により、元々日本に住んでいた二重国籍の未成年者は、日本の家族のところに帰国する場合、同意書の提示を求められないようですが、別の国へ旅行する場合は同意書の提示が必要です。詳細についてはルーマニア国境警察の関係HPをご参照ください。

上述の「親権者による出入国同意書」に関し、未成年の二重国籍者が日本のパスポートを使用してルーマニアに入国し、90日以内の短期滞在(滞在許可の取得は不要)を終えたのちに出国しようとした際に、国境警察から上記同意書の提示を求められたというケースが発生しています。これは、日本人としてルーマニアへ入国・滞在し、日本人として出国しようとしても、ルーマニア国境警察は二重国籍者をルーマニア人として扱って同意書を求める場合があることを意味しています。

 同意書は、ルーマニアの在外公館で作成する必要がありますが、東京にあるルーマニア大使館に出向きにくい本邦在住の親権者におかれては、次の要領で作成した同意書も有効です。
1 国境警察が定める書式を参考にして最寄りの公証人役場で同意書(日本語)を作成 する。
2 作成した同意書の公印に外務省でアポスティーユを取得する。
3 アポスティーユを取得した同意書の原本をルーマニアへ送付し、ルーマニア法務省公認の通訳者(一例はこちら)に翻訳を作成してもらう。
4 出国時に同意書の原本と翻訳の原本を国境警察に提示する。

その他同伴者が提示すべき書類等に関する詳細は国境警察(HP連絡先)に直接ご照会下さい。