緊急事態宣言を延長する大統領令(4/14発令)
令和2年4月14日
4月14日に発令された緊急事態期間を30日間延長する大統領令につき、既に施行されているもの(当初3月16日に発令されたもの)からの変更点(追加、変更等)、要点以下のとおり。
追加等と見られる点も、累次軍事令によって既に発令、実施されてきている事項も多く、全体として大きな変更はないが、これにより、現在実施されている厳しい営業停止、教育機関の閉鎖、運行停止、外出制限、隔離措置等が、さらに一か月間、若干の強化とともに継続されることが、明らかにされた。
【要点】
●期間は、4月15日から30日間延長される。
また、これまで導入されている措置は,ほぼそのまま維持される。
●主として以下のような点が追加された。
・集会,抗議活動等を禁止する。
・電気,天然ガス価格の下落を最終的消費者価格に反映させる。
・政府が,EU基金を用いた事業の再編,再構築,延期等につき決定する。
・医療分野において多方面で、国が追加的に費用を負担することを可能にする。
・軍人が病院の指導職に就ける。
・社会福祉施設の閉鎖を禁止する。
・医療機関,社会保障施設,国防・治安維持・国家安全機関の職員の退職を禁止する。
【本文】
ルーマニア国土における緊急事態を延長する大統領令(4月14日,大統領署名)
1 前文(以下の番号は,当館にて適宜付したもの)
(1)SARS-COV-2の感染者数,死亡者数共に世界的なレベルで増え続けており,これが減速する確かな兆しは今のところない。また,国内においては、大統領令2020年第195号が発出されてルーマニア国土が緊急事態に置かれて以降,感染者数,死亡者数共に増加を記録している。
(2)緊急事態措置により社会的距離を制限する措置をとって以降,今のところ,10の県(スチャヴァ県,ネアムツ県,ティミシュ県,アラド県,ブラショフ県,フネドアラ県,クルージュ県,コンスタンツァ県,ガラツィ県,イルフォフ県)とブカレスト市において,限られたコミュニティ内感染が発生している。また、これらの地域での感染は,全国の感染の七割を占めている。
また,スチャヴァ市と周辺の村、またヤロミツァ県ツァンダレイ町では,コミュニティ内感染が発生しており、完全な検疫隔離措置がとられている。
(3)緊急事態を導入する背景となった特別な状況が現状も続いていることから,効果的な危機対策を実施するための措置の延長を行うべきである。
(4)防護服,消毒液,医薬品,医療衛生用品の確保が困難になっている状況を踏まえ,これらの迅速な確保のための緊急入札,寄付手続きなどの特別規則が必要である。また,必要に応じた物資の接収,国の備蓄物資の利用を行える仕組みが必要である。
(5)医療活動についての努力のみならず,治安関係当局が,緊急事態措置の実施と治安維持,国家の安全や民主主義に対する脅威の予防のために稼働する能力を、維持するための措置が必要である。
(6)経済,社会活動の縮小から発生する影響への対策のための行政,法制度,公共サービス,重要インフラの稼働の継続に関する措置が必要である。
(7)経済の保護と労働関係の継続は,国家機関にとって重大である。
(8)以上の全ての要素が総合的に、COVID-19の危機への対処となり,円滑に通常の状態に戻るために必要とされている。
(9)人権が制限されることとなる場合,その制限は,その権利の本質を変更するのではなく,正当な目的の追求のために,民主主義社会で必要とされ,その目的と比例的なものでなければならない。導入される措置は、ルーマニアの一般国民の利益のためである。
以上に鑑み,また,大統領令2020年第195号で導入された措置のいくつかを疫病の動向に伴って調整する必要性,また,政府の緊急事態宣言延長の提案と,緊急事態宣言延長の必要性に関する国防最高評議会(CSAT)の決定に鑑み,憲法第93条第1項及び第100条,緊急事態に関する1999年緊急政令第1号に従い,ルーマニア大統領は,以下の大統領令を発令する。
2 本文
第1条
2020年4月15日から30日間,ルーマニア全土において,2020年3月16日に官報に掲載された大統領令2020年第195号によって導入された緊急事態期間を延長する。
第2条~第6条 (変更なし。)
第7条
本大統領令で異なる措置が規定されない限り,第1条に指定された期間,大統領令2020年第195号で導入された措置の有効性は継続する。
第8条~第10条 (変更なし。)
3 即時に適用される主要な緊急措置(大統領令の別添(Annex)1号)
【第1章 公安】
第1条
(1)緊急事態期間中は,以下を組織することが禁止される。
集会(mitinguri),抗議活動,行進その他屋外におけるあらゆる集会。
その他の室内における文化,科学,芸術,宗教,スポーツ,娯楽に関する集会。
(2)ルーマニアが公式に認めている宗教の従事者は,教会,公の場,私的な場で,公衆が参加しないことを条件にした礼拝,最低限の人数の参加によるプライベートな宗教的儀式を行うことができる。
第2条~第6条 (変更なし。)
第7条
治安維持,施設の警備に参加する国防省の職員は、以下の権限を持つ。
個人の身分確認及び,外出,異動の理由の確認
検疫措置に置かれた建物,市町村,制限区域,交通手段等に対する進入の制限,またそのような場所からの避難の指令
隔離措置を守らない者へのあらゆる手段でのその行為を中止せしめるための警告
交通整理
第8条
国防・治安・国家安全関連機関は,緊急事態期間中,自己防衛や介入のために必要な物資の確保のために,事前公表なく枠組み契約を締結できる。具体的な物資の購入量の上限は,国防最高評議会が決定する。
第9条及び第10条 (変更なし。)
【第2章 身分に関する届け出関係】
第11条
法律に従って国民に身分証明書の提示を求める関連機関の職員は,関連公的機関が電子データの形式で交付した書類の受理を認めなければならない。
第12条
緊急事態期間中,出生,死亡登録に必要な書類は,関連公的機関にファックスや電子メール等で送信される。(以下略)
第13条
緊急事態期間中は,死亡届は死亡後三日以内に提出されなければらない。(以下略)
【第3章 経済関係】
第14条~第18条 (変更なし。)
第19条
医薬品及び医療機器,基本食料品,公的なユーティリティ・サービスの価格は,抑制できる。
電気,天然ガスの価格が地域市場で下落する場合,政府は,この下落が,最終的な消費者価格に一部又は全体的に反映されるように、必要な措置をとる。
(当館注:前大統領令で規定されていた「緊急事態宣言の前の三か月間の平均価格を上限として」抑制できる、とされていた条件は,削除されている。)
第20条
緊急事態期間中に完全に実施されなかった計画(プログラム)や事業(プロジェクト)がある場合には,そこで使用予定であった消耗品は,別の計画や事業に利用したり,社会保障施設に寄付したりすることができる。
【第4章 EU基金関係】
第21条
緊急事態期間中は,事業の実施は,法令に従いつつ,COVID-19感染拡大防止措置も遵守する。
第22条
本大統領令が発効して10日以内に,政府は,EU基金の使用目的となる事業の再編,再構築,延期の総合的な枠組みと手法について決定する。
第23条
緊急事態期間中は,EU基金の裨益者からの正当な要請に基づき,管理当局等が,事業の目標に影響が生じないように,個々の案件ごとに、各事業の再編,再構築,延期について判断し承認することができる。但し、2023年12月31日を超えて延長されないようにする。
第24条
EU基金を使用する事業を認可する当局は,必要に応じオンライン会議を行う。この会議の記録文書は、電子証明により有効な文書とみなされる。緊急事態期間中,EU基金を使用する事業につき認可を行う当局は,必要書類をネット上で受理する。
【第5章 保健分野】
第25条 (変更なし。)
第26条
医療関係の法令は,緊急事態期間中その有効期限が延長される。
第27条
緊急事態期間中は,FNUASS(国立統一医療保健基金)が,国内の患者の人数の範囲内で,透析サービスの費用を実績に基づいて負担する。
第28条
緊急事態期間中は,民間の救急車サービスが,契約外のサービスも行う。その業務についての支出は,実績に基づきFNUASSが行う。
第29条 (略)
第30条
緊急事態期間中は,救急医療は,あらゆる通信手段を用いて遠隔から行うことができる。
第31条~第34条 (変更なし。)
第35条~第37条 (略)
第38条
緊急事態期間中は,非軍事的公共医療機関の管理職の職責が,国防・国家安全機関から派遣された人材によって占められ得る。また,国防・国家安全機関は,保健省の要請に従い,後者に人材を派遣して業務を遂行させることができる。
第39条 (略)
第40条
緊急事態期間中は,保健省令により,国家医療計画のどの部分が優先されどの部分が停止,制限されるのかが定められる。また,これにより停止,制限された国家医療計画に関連する医薬品,医療物資,医療機器,ワクチン,消耗品などが、有効期間内に使用されなかった場合には,COVID-19により発生した損害とみなされ,違法とはならない。
第41条 (変更なし。)
第42条
疫病が流行している間,保健局が必要な医療防護物資の購入のために必要とする資金は同省により支給され,保健局が簡易手続きを経て購入する。
また,病院等医療施設が必要な医療防護物資,医薬品の購入のために必要とする資金は、保健省により支給され,当該医療施設が簡易手続きを経て購入する。
(以下略)
第43条
国防省は,医療従事者が働くROL2型医療施設を設置,建設することができる。また,医療物資,医療機器,医薬品,食料品を運搬するための特別機の運航を実施することができる。
第44条
COVID-19対策のために,国防省に所属する研究所は研究の成果を民間の研究所や会社に無償で提供することができ,右は,COVID-19対策に必要な技術や,産品の生産,商品化に利用される。
第45条 (変更なし。)
【第6章 労働・社会保障関係】
第46条~第49条 (変更なし。)
第50条
緊急事態期間中は,社会福祉センター(高齢者,子供,障害を持つ又は持たない子供や大人,その他社会的弱者の介護施設等)の閉鎖が禁止される。
これらの施設に入所している人々の家族,支援者,後見人は,自宅での一時的な介護に自己責任を持てる場合には,要請により,施設からこれらの人々を自宅に引き取ることができる。
第51条及び第52条 (変更なし。)
第53条
国防,治安維持,国家安全の分野の契約職員の労働契約の変更は,労働法に従い,また,以下の特別な規則に従って行われる。
・必要な専門知識を持つ者は、現在の仕事と異なる仕事が命じられることがある。
・派遣期間は,職員の同意なしに延長され得る。
・仕事の分野が、職員の同意なしに変更され得る。
国防,治安維持,国家安全分野の公務員に対しては、本人の同意がない場合にも、60日間以上の長期出向を命ずることができる。
第54条
緊急事態期間中は,活動の性質や必要性により,公務員の雇用者は,一方的に(有給,無給,研修用の)休暇の中止及び出勤の再開,又は完全な若しくは部分的な休暇の取得を、命ずることができる。
第55条 (変更なし。)
第56条
医療機関,社会保障施設,国防・治安維持・国家安全期間の職員は,緊急事態期間中,労働法第81条第4項に示される退職の事前通告を開始できない。既に開始している場合には、それは保留される。
緊急事態期間中は,これらの職員に対しては法律第53/2003号第81条第8項(退職に関する法律の規定)は適用されない。
第57条~第59条 (変更なし。)
【第7章 司法】
第60条~第67条
(略:音声や動画による裁判への参加,裁判所宛の書類のやりとりが電子的に可能になること,その他,刑事捜査や被収容者の扱い等についての詳細な規定。)
第68条
緊急事態期間中は,国籍取得申請の提出活動,国籍取得の面接等を停止する。
第69条~第72条 (変更なし。)
【第8章 外国関係】
第73条 (変更なし。)
【第9章 運輸,インフラ】
第74条
緊急事態期間中は,政府が,人と貨物の運輸について規定し,人と貨物の保護を優先する。
第75条
電子通信企業は,サービスとネットワークに問題が生じないように、かつ当局の公信に支障が生じないように、必要な措置をとる。
第76条 (変更なし。)
【第10章 教育研究分野】
第77条
緊急事態期間中は,教育施設における幼児,生徒,学生の物理的な存在を必要とする全ての教育活動は、停止する。
第78条
大学レベル以下の教育施設は,可能な限り,オンラインで教育省の指示に従った内容の活動を継続する。
第79条
大学,大学院は,自主権に基づき,責任を持ってオンラインの活動を行う。
第80条
緊急事態期間に行えなかった実験室での活動等は,自主権に基づき,各大学,大学院において緊急事態終了後に実施する。
第81条
公的資金を得てCOVID-19関連の研究を支援する事業については,政府が,簡易で迅速な手続きの枠組みを構築する。
【第11章 その他の措置】
第82条
緊急事態期間中は,政府が、国民の食の安全、食料品や必需品の購入,生産,加工,運輸,配給の継続のために必要な措置をとる。
第83条及び第84条 (変更なし。)
第85条
国防省は,国又は地方自治体により求められた場合には,職員を派遣し,軍事令やその他の指令の実施のために活動し,また必要に応じCOVID-19拡散防止対策任務を行う。
この活動のために必要となる宿泊地点や車両の駐車場所、公共施設への入構は、当該地方自治体が提供する。
第86条~第94条 (変更なし。)
追加等と見られる点も、累次軍事令によって既に発令、実施されてきている事項も多く、全体として大きな変更はないが、これにより、現在実施されている厳しい営業停止、教育機関の閉鎖、運行停止、外出制限、隔離措置等が、さらに一か月間、若干の強化とともに継続されることが、明らかにされた。
【要点】
●期間は、4月15日から30日間延長される。
また、これまで導入されている措置は,ほぼそのまま維持される。
●主として以下のような点が追加された。
・集会,抗議活動等を禁止する。
・電気,天然ガス価格の下落を最終的消費者価格に反映させる。
・政府が,EU基金を用いた事業の再編,再構築,延期等につき決定する。
・医療分野において多方面で、国が追加的に費用を負担することを可能にする。
・軍人が病院の指導職に就ける。
・社会福祉施設の閉鎖を禁止する。
・医療機関,社会保障施設,国防・治安維持・国家安全機関の職員の退職を禁止する。
【本文】
ルーマニア国土における緊急事態を延長する大統領令(4月14日,大統領署名)
1 前文(以下の番号は,当館にて適宜付したもの)
(1)SARS-COV-2の感染者数,死亡者数共に世界的なレベルで増え続けており,これが減速する確かな兆しは今のところない。また,国内においては、大統領令2020年第195号が発出されてルーマニア国土が緊急事態に置かれて以降,感染者数,死亡者数共に増加を記録している。
(2)緊急事態措置により社会的距離を制限する措置をとって以降,今のところ,10の県(スチャヴァ県,ネアムツ県,ティミシュ県,アラド県,ブラショフ県,フネドアラ県,クルージュ県,コンスタンツァ県,ガラツィ県,イルフォフ県)とブカレスト市において,限られたコミュニティ内感染が発生している。また、これらの地域での感染は,全国の感染の七割を占めている。
また,スチャヴァ市と周辺の村、またヤロミツァ県ツァンダレイ町では,コミュニティ内感染が発生しており、完全な検疫隔離措置がとられている。
(3)緊急事態を導入する背景となった特別な状況が現状も続いていることから,効果的な危機対策を実施するための措置の延長を行うべきである。
(4)防護服,消毒液,医薬品,医療衛生用品の確保が困難になっている状況を踏まえ,これらの迅速な確保のための緊急入札,寄付手続きなどの特別規則が必要である。また,必要に応じた物資の接収,国の備蓄物資の利用を行える仕組みが必要である。
(5)医療活動についての努力のみならず,治安関係当局が,緊急事態措置の実施と治安維持,国家の安全や民主主義に対する脅威の予防のために稼働する能力を、維持するための措置が必要である。
(6)経済,社会活動の縮小から発生する影響への対策のための行政,法制度,公共サービス,重要インフラの稼働の継続に関する措置が必要である。
(7)経済の保護と労働関係の継続は,国家機関にとって重大である。
(8)以上の全ての要素が総合的に、COVID-19の危機への対処となり,円滑に通常の状態に戻るために必要とされている。
(9)人権が制限されることとなる場合,その制限は,その権利の本質を変更するのではなく,正当な目的の追求のために,民主主義社会で必要とされ,その目的と比例的なものでなければならない。導入される措置は、ルーマニアの一般国民の利益のためである。
以上に鑑み,また,大統領令2020年第195号で導入された措置のいくつかを疫病の動向に伴って調整する必要性,また,政府の緊急事態宣言延長の提案と,緊急事態宣言延長の必要性に関する国防最高評議会(CSAT)の決定に鑑み,憲法第93条第1項及び第100条,緊急事態に関する1999年緊急政令第1号に従い,ルーマニア大統領は,以下の大統領令を発令する。
2 本文
第1条
2020年4月15日から30日間,ルーマニア全土において,2020年3月16日に官報に掲載された大統領令2020年第195号によって導入された緊急事態期間を延長する。
第2条~第6条 (変更なし。)
第7条
本大統領令で異なる措置が規定されない限り,第1条に指定された期間,大統領令2020年第195号で導入された措置の有効性は継続する。
第8条~第10条 (変更なし。)
3 即時に適用される主要な緊急措置(大統領令の別添(Annex)1号)
【第1章 公安】
第1条
(1)緊急事態期間中は,以下を組織することが禁止される。
集会(mitinguri),抗議活動,行進その他屋外におけるあらゆる集会。
その他の室内における文化,科学,芸術,宗教,スポーツ,娯楽に関する集会。
(2)ルーマニアが公式に認めている宗教の従事者は,教会,公の場,私的な場で,公衆が参加しないことを条件にした礼拝,最低限の人数の参加によるプライベートな宗教的儀式を行うことができる。
第2条~第6条 (変更なし。)
第7条
治安維持,施設の警備に参加する国防省の職員は、以下の権限を持つ。
個人の身分確認及び,外出,異動の理由の確認
検疫措置に置かれた建物,市町村,制限区域,交通手段等に対する進入の制限,またそのような場所からの避難の指令
隔離措置を守らない者へのあらゆる手段でのその行為を中止せしめるための警告
交通整理
第8条
国防・治安・国家安全関連機関は,緊急事態期間中,自己防衛や介入のために必要な物資の確保のために,事前公表なく枠組み契約を締結できる。具体的な物資の購入量の上限は,国防最高評議会が決定する。
第9条及び第10条 (変更なし。)
【第2章 身分に関する届け出関係】
第11条
法律に従って国民に身分証明書の提示を求める関連機関の職員は,関連公的機関が電子データの形式で交付した書類の受理を認めなければならない。
第12条
緊急事態期間中,出生,死亡登録に必要な書類は,関連公的機関にファックスや電子メール等で送信される。(以下略)
第13条
緊急事態期間中は,死亡届は死亡後三日以内に提出されなければらない。(以下略)
【第3章 経済関係】
第14条~第18条 (変更なし。)
第19条
医薬品及び医療機器,基本食料品,公的なユーティリティ・サービスの価格は,抑制できる。
電気,天然ガスの価格が地域市場で下落する場合,政府は,この下落が,最終的な消費者価格に一部又は全体的に反映されるように、必要な措置をとる。
(当館注:前大統領令で規定されていた「緊急事態宣言の前の三か月間の平均価格を上限として」抑制できる、とされていた条件は,削除されている。)
第20条
緊急事態期間中に完全に実施されなかった計画(プログラム)や事業(プロジェクト)がある場合には,そこで使用予定であった消耗品は,別の計画や事業に利用したり,社会保障施設に寄付したりすることができる。
【第4章 EU基金関係】
第21条
緊急事態期間中は,事業の実施は,法令に従いつつ,COVID-19感染拡大防止措置も遵守する。
第22条
本大統領令が発効して10日以内に,政府は,EU基金の使用目的となる事業の再編,再構築,延期の総合的な枠組みと手法について決定する。
第23条
緊急事態期間中は,EU基金の裨益者からの正当な要請に基づき,管理当局等が,事業の目標に影響が生じないように,個々の案件ごとに、各事業の再編,再構築,延期について判断し承認することができる。但し、2023年12月31日を超えて延長されないようにする。
第24条
EU基金を使用する事業を認可する当局は,必要に応じオンライン会議を行う。この会議の記録文書は、電子証明により有効な文書とみなされる。緊急事態期間中,EU基金を使用する事業につき認可を行う当局は,必要書類をネット上で受理する。
【第5章 保健分野】
第25条 (変更なし。)
第26条
医療関係の法令は,緊急事態期間中その有効期限が延長される。
第27条
緊急事態期間中は,FNUASS(国立統一医療保健基金)が,国内の患者の人数の範囲内で,透析サービスの費用を実績に基づいて負担する。
第28条
緊急事態期間中は,民間の救急車サービスが,契約外のサービスも行う。その業務についての支出は,実績に基づきFNUASSが行う。
第29条 (略)
第30条
緊急事態期間中は,救急医療は,あらゆる通信手段を用いて遠隔から行うことができる。
第31条~第34条 (変更なし。)
第35条~第37条 (略)
第38条
緊急事態期間中は,非軍事的公共医療機関の管理職の職責が,国防・国家安全機関から派遣された人材によって占められ得る。また,国防・国家安全機関は,保健省の要請に従い,後者に人材を派遣して業務を遂行させることができる。
第39条 (略)
第40条
緊急事態期間中は,保健省令により,国家医療計画のどの部分が優先されどの部分が停止,制限されるのかが定められる。また,これにより停止,制限された国家医療計画に関連する医薬品,医療物資,医療機器,ワクチン,消耗品などが、有効期間内に使用されなかった場合には,COVID-19により発生した損害とみなされ,違法とはならない。
第41条 (変更なし。)
第42条
疫病が流行している間,保健局が必要な医療防護物資の購入のために必要とする資金は同省により支給され,保健局が簡易手続きを経て購入する。
また,病院等医療施設が必要な医療防護物資,医薬品の購入のために必要とする資金は、保健省により支給され,当該医療施設が簡易手続きを経て購入する。
(以下略)
第43条
国防省は,医療従事者が働くROL2型医療施設を設置,建設することができる。また,医療物資,医療機器,医薬品,食料品を運搬するための特別機の運航を実施することができる。
第44条
COVID-19対策のために,国防省に所属する研究所は研究の成果を民間の研究所や会社に無償で提供することができ,右は,COVID-19対策に必要な技術や,産品の生産,商品化に利用される。
第45条 (変更なし。)
【第6章 労働・社会保障関係】
第46条~第49条 (変更なし。)
第50条
緊急事態期間中は,社会福祉センター(高齢者,子供,障害を持つ又は持たない子供や大人,その他社会的弱者の介護施設等)の閉鎖が禁止される。
これらの施設に入所している人々の家族,支援者,後見人は,自宅での一時的な介護に自己責任を持てる場合には,要請により,施設からこれらの人々を自宅に引き取ることができる。
第51条及び第52条 (変更なし。)
第53条
国防,治安維持,国家安全の分野の契約職員の労働契約の変更は,労働法に従い,また,以下の特別な規則に従って行われる。
・必要な専門知識を持つ者は、現在の仕事と異なる仕事が命じられることがある。
・派遣期間は,職員の同意なしに延長され得る。
・仕事の分野が、職員の同意なしに変更され得る。
国防,治安維持,国家安全分野の公務員に対しては、本人の同意がない場合にも、60日間以上の長期出向を命ずることができる。
第54条
緊急事態期間中は,活動の性質や必要性により,公務員の雇用者は,一方的に(有給,無給,研修用の)休暇の中止及び出勤の再開,又は完全な若しくは部分的な休暇の取得を、命ずることができる。
第55条 (変更なし。)
第56条
医療機関,社会保障施設,国防・治安維持・国家安全期間の職員は,緊急事態期間中,労働法第81条第4項に示される退職の事前通告を開始できない。既に開始している場合には、それは保留される。
緊急事態期間中は,これらの職員に対しては法律第53/2003号第81条第8項(退職に関する法律の規定)は適用されない。
第57条~第59条 (変更なし。)
【第7章 司法】
第60条~第67条
(略:音声や動画による裁判への参加,裁判所宛の書類のやりとりが電子的に可能になること,その他,刑事捜査や被収容者の扱い等についての詳細な規定。)
第68条
緊急事態期間中は,国籍取得申請の提出活動,国籍取得の面接等を停止する。
第69条~第72条 (変更なし。)
【第8章 外国関係】
第73条 (変更なし。)
【第9章 運輸,インフラ】
第74条
緊急事態期間中は,政府が,人と貨物の運輸について規定し,人と貨物の保護を優先する。
第75条
電子通信企業は,サービスとネットワークに問題が生じないように、かつ当局の公信に支障が生じないように、必要な措置をとる。
第76条 (変更なし。)
【第10章 教育研究分野】
第77条
緊急事態期間中は,教育施設における幼児,生徒,学生の物理的な存在を必要とする全ての教育活動は、停止する。
第78条
大学レベル以下の教育施設は,可能な限り,オンラインで教育省の指示に従った内容の活動を継続する。
第79条
大学,大学院は,自主権に基づき,責任を持ってオンラインの活動を行う。
第80条
緊急事態期間に行えなかった実験室での活動等は,自主権に基づき,各大学,大学院において緊急事態終了後に実施する。
第81条
公的資金を得てCOVID-19関連の研究を支援する事業については,政府が,簡易で迅速な手続きの枠組みを構築する。
【第11章 その他の措置】
第82条
緊急事態期間中は,政府が、国民の食の安全、食料品や必需品の購入,生産,加工,運輸,配給の継続のために必要な措置をとる。
第83条及び第84条 (変更なし。)
第85条
国防省は,国又は地方自治体により求められた場合には,職員を派遣し,軍事令やその他の指令の実施のために活動し,また必要に応じCOVID-19拡散防止対策任務を行う。
この活動のために必要となる宿泊地点や車両の駐車場所、公共施設への入構は、当該地方自治体が提供する。
第86条~第94条 (変更なし。)