大使挨拶
令和8年4月14日
大使レター 令和8年4月
皆様、こんにちは。Bună ziua dragi români,
厳しい寒さも次第に和らぎ、春の訪れが感じられる季節となりました。皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
さて、2月20日、当館は天皇陛下の66回目のお誕生日を祝うレセプションを主催しました。ボロジャン首相をはじめ、コンスタンティネスク元大統領、ゲオルギウ副首相、プスラル欧州投資・事業相、ブゾイアヌ環境・水利・森林相、マノレ労働・家族・青年・社会連帯相のほか、政府高官、議会関係者、各国大使、文化・スポーツ・経済関係者、在留邦人の皆様など多数のご出席を賜り、盛大に祝賀することができました。
私はスピーチの中で、陛下が年頭のご感想や歌会始めで詠まれた「明けの明星」の御製をご紹介しました。そこには、過去の苦難を忘れず、平和を心から願う陛下の強い思いが込められています。激動する国際情勢においてこそ、日本とルーマニアという同志国同士の戦略的パートナーシップの意義は一層大きくなっていると実感しております。両国の絆がこの「明星」のように、私たちを明るい未来へと導く道標となることを確信しております。
来賓を代表してボロジャン首相からも、心温まる、そして力強い祝辞をいただきました。ボロジャン首相からは、高市早苗総理の新政権発足へのお祝いと共に、2023年に格上げされた「戦略的パートナーシップ」が単なるスローガンではなく、具体的な数字やプロジェクトとして結実していることを強調されました。特にブカレスト地下鉄M6路線、大阪・関西万博でのルーマニア館の成功は、両国の協力関係がいかに強固であるかを改めて示すものでした。
レセプションでは、日本産食材を用いた和食や日本酒をご堪能いただくとともに、いけばなインターナショナルの皆様による華やかな装花や、ブカレスト国立音楽大学による国歌などの美しい五重奏、日系企業による展示など、多くの方々のご協力により、文化や技術面での日本の多彩な魅力を体感いただく機会となりました。
科学技術分野において重要な進展がありました。2月17日、マグレレにて「第3回日・ルーマニア科学技術協力合同委員会」が開催されました。両国の専門家が集まり、超高強度レーザー科学、AI、地球物理学など幅広い分野で活発な議論が行われました。また、文部科学省とルーマニア国立研究庁との間では新たな協力覚書が署名され、今後の研究協力の一層の深化が期待されます。更に、同日、世界最高強度のレーザーを誇る極限レーザー核物理研究所(ELI-NP)や大気・放射研究センターの視察も行われ、両国の先端研究の現場を直接確認する貴重な機会となりました。
これに先立つ昨年12月3日には、ELI-NPにおいて、同研究所が大阪大学とオカモトオプティクス社とが共同で研究開発に取り組む光学センター(COMP)の起工式に参列しました。これは2023年3月に戦略的パートナーシップ構築の共同声明を両国首脳が署名した際に、両首脳の立ち会いの下、署名された覚書に基づく者で、日本とルーマニアの学術協力が具体的な産業連携へと発展していることを示すと共に、両国の科学技術の未来を切り拓く象徴となりました。本プロジェクトが両国の科学技術と経済の双方に大きく貢献することを期待しています。
経済分野では、3月3日~5日にロムエクスポで開催された「Green Energy Expo」に、ジャパン・パビリオンとして出展し、伊藤忠、日立、IHIにも各社の取組等を紹介いただく機会を持ちました。また、3月5~6日にかけて、ブラショフ市で「トヨタ式カイゼン・マネジメント」会議及び「海外産業人材育成協会(AOTS)ルーマニア支部設立30周年記念行事」が開催されました。さらに、3月26日には、当地NGO・Sharp Solutionとの共催で、「Japan Romania Dialogue – co-designing sustainable cities」を開催し、三菱電機、日建設計、パシフィックコンサルタンツ、パデコの4社にそれぞれの日本でのスマートシティ・スマートエネルギーに関する取組事例を紹介いただき、都市開発について両国の関係者間で意見交換が行われました。
保健・医療分野でも協力が進んでいます。2月24日、ルーマニア国立公衆衛生研究所において開催された記念式典に出席しました。日本のアジア欧州財団(ASEF)への拠出金による、WHOを通じたウクライナ避難民等に対する感染症対策プロジェクトなどの貢献に対し、感謝状を授与されるという光栄に浴しました。3月24日には、国立「マリウス・ナスタ」肺疾患研究所で開催された世界結核デー記念行事に参加し、ASEFを通じた日本の資金拠出によって購入された感染症検査用設備等の活用状況を視察するとともに、日本とルーマニアが協力して結核撲滅に向けて取り組んでいる現状を紹介しました。日本は引き続き、感染症対策やウクライナ避難民支援を通じて、地域の安定と人々の健康に貢献してまいります。
教育の分野では、昨年11月に、日本からの無償資金協力によってIT機材が供与されたクルージュ・ナポカ、ピテシュティ、トゥルグ・ジウの高校を訪問しました。意欲溢れる優秀な生徒たちの学習に機材が有効に活用されている様子を目の当たりにし、これらの支援が、未来を担う若い世代の学びと成長に寄与していることを大変嬉しく思います。また、3月に当館主催で開催した日本語プレゼンテーションコンテストは記念すべき第10回を迎え、20名の参加者が、それぞれの「伝えたい」を形にして熱く語るプレゼンテーションを披露しました。私としては未来の日ルーマニアの架け橋となるルーマニアの若者に大いに期待したいと思います。私自身の努力としては、日本の外交や安全保障、日ルーマニア関係について理解を深めてもらうため、11月はブカレスト大学、12月には国防大学において、3月にはバベシュ・ボヨイ大学において講義をさせて頂きました。
文化交流も引き続き活発です。昨年11月にはクルージュ=ナポカ及びブカレストにおいて「日本クラシック映画祭2025」を開催し、小津安二郎監督作品を取り上げて、多くの来場者に日本映画の魅力をお楽しみいただきました。また、スポーツ交流では、同月にクルージュ=ナポカで日本人留学生と現地の少年たちによるルーマニア伝統スポーツ「オイナ」の親善試合が行われました。私も現場に駆けつけ試合に参加しましたが、初心者の日本人チームがルールを教わりながら楽しむ姿は、まさにスポーツを通じた友情の育みそのもので素晴らしいスポーツ交流の機会となりました。
12月、議会宮殿ホールにて、当館とユーロ・フォト・アート協会の共催による写真展「日本とルーマニアの文化の架け橋」を実施しました。この写真展では、私とユーロ・フォト・アート協会のトート会長それぞれが日本とルーマニアの各地で撮影した風景写真を展示しました。展示されている写真は同協会のデジタル版記念写真集でも御覧いただけます。写真を趣味とする私はルーマニア各地のフォトジェニックなシーンに感銘を受けておりますが、ルーマニアの方々には日本の風景をご覧頂き、日本に旅行してみたいと感じていただければ幸いです。 3月末には、クルージュ=ナポカ市、ルーマニア・日本協力センター、バベシュ・ボヨイ大学千羽鶴センターとの共催により、「日本文化祭」を開催しました。当館が主催者となってブカレスト以外でこのような総合的な文化イベントを行う機会は少なく、日本の伝統音楽や武道等のパフォーマンスの他、生け花や書道、盆栽の展示など、多くの来場者が様々な日本文化を楽しむ機会となりました。センター周囲では2018年に愛媛県松山市から寄贈された桜が咲き始めており、イベントに花を添えました。
地方交流では明2027年に姉妹都市提携50周年を迎えることを念頭に、3月にコンスタンツァ市を訪問し、キツァック市長を表敬訪問したり、一時帰国した際には横浜市を訪問したりして、周年に向けた意見交換を行いました。
両国は戦略的パートナーとして、政治、経済、科学技術、文化、教育、地方交流と多岐にわたる分野で着実に関係を深化しています。両国のパートナーシップは、まさに天皇陛下の御製に詠まれた「明けの明星」のように、希望と未来を照らす存在であると感じております。
最後になりましたが、私は引き続き、地方を出張する際にはルーマニアの多彩な魅力を探索することを心がけています。その中でも、3月にブザウ県を訪問した際、有名な観光地である泥火山にも足を伸ばし、月面のような独特の景観を堪能しました。ぬかるみの中を歩いていると、履いていた靴の底が粘り気の強い泥にとられてしまうという希有なハプニングに見舞われましたが、身をもってルーマニアの大地の力強さを実感する、思い出深いひとときとなりました。
季節の変わり目でございますので、どうぞご自愛ください。次号でまた報告させて頂くことを楽しみにしております。

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厳しい寒さも次第に和らぎ、春の訪れが感じられる季節となりました。皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
さて、2月20日、当館は天皇陛下の66回目のお誕生日を祝うレセプションを主催しました。ボロジャン首相をはじめ、コンスタンティネスク元大統領、ゲオルギウ副首相、プスラル欧州投資・事業相、ブゾイアヌ環境・水利・森林相、マノレ労働・家族・青年・社会連帯相のほか、政府高官、議会関係者、各国大使、文化・スポーツ・経済関係者、在留邦人の皆様など多数のご出席を賜り、盛大に祝賀することができました。
私はスピーチの中で、陛下が年頭のご感想や歌会始めで詠まれた「明けの明星」の御製をご紹介しました。そこには、過去の苦難を忘れず、平和を心から願う陛下の強い思いが込められています。激動する国際情勢においてこそ、日本とルーマニアという同志国同士の戦略的パートナーシップの意義は一層大きくなっていると実感しております。両国の絆がこの「明星」のように、私たちを明るい未来へと導く道標となることを確信しております。
来賓を代表してボロジャン首相からも、心温まる、そして力強い祝辞をいただきました。ボロジャン首相からは、高市早苗総理の新政権発足へのお祝いと共に、2023年に格上げされた「戦略的パートナーシップ」が単なるスローガンではなく、具体的な数字やプロジェクトとして結実していることを強調されました。特にブカレスト地下鉄M6路線、大阪・関西万博でのルーマニア館の成功は、両国の協力関係がいかに強固であるかを改めて示すものでした。
レセプションでは、日本産食材を用いた和食や日本酒をご堪能いただくとともに、いけばなインターナショナルの皆様による華やかな装花や、ブカレスト国立音楽大学による国歌などの美しい五重奏、日系企業による展示など、多くの方々のご協力により、文化や技術面での日本の多彩な魅力を体感いただく機会となりました。
科学技術分野において重要な進展がありました。2月17日、マグレレにて「第3回日・ルーマニア科学技術協力合同委員会」が開催されました。両国の専門家が集まり、超高強度レーザー科学、AI、地球物理学など幅広い分野で活発な議論が行われました。また、文部科学省とルーマニア国立研究庁との間では新たな協力覚書が署名され、今後の研究協力の一層の深化が期待されます。更に、同日、世界最高強度のレーザーを誇る極限レーザー核物理研究所(ELI-NP)や大気・放射研究センターの視察も行われ、両国の先端研究の現場を直接確認する貴重な機会となりました。
これに先立つ昨年12月3日には、ELI-NPにおいて、同研究所が大阪大学とオカモトオプティクス社とが共同で研究開発に取り組む光学センター(COMP)の起工式に参列しました。これは2023年3月に戦略的パートナーシップ構築の共同声明を両国首脳が署名した際に、両首脳の立ち会いの下、署名された覚書に基づく者で、日本とルーマニアの学術協力が具体的な産業連携へと発展していることを示すと共に、両国の科学技術の未来を切り拓く象徴となりました。本プロジェクトが両国の科学技術と経済の双方に大きく貢献することを期待しています。
経済分野では、3月3日~5日にロムエクスポで開催された「Green Energy Expo」に、ジャパン・パビリオンとして出展し、伊藤忠、日立、IHIにも各社の取組等を紹介いただく機会を持ちました。また、3月5~6日にかけて、ブラショフ市で「トヨタ式カイゼン・マネジメント」会議及び「海外産業人材育成協会(AOTS)ルーマニア支部設立30周年記念行事」が開催されました。さらに、3月26日には、当地NGO・Sharp Solutionとの共催で、「Japan Romania Dialogue – co-designing sustainable cities」を開催し、三菱電機、日建設計、パシフィックコンサルタンツ、パデコの4社にそれぞれの日本でのスマートシティ・スマートエネルギーに関する取組事例を紹介いただき、都市開発について両国の関係者間で意見交換が行われました。
保健・医療分野でも協力が進んでいます。2月24日、ルーマニア国立公衆衛生研究所において開催された記念式典に出席しました。日本のアジア欧州財団(ASEF)への拠出金による、WHOを通じたウクライナ避難民等に対する感染症対策プロジェクトなどの貢献に対し、感謝状を授与されるという光栄に浴しました。3月24日には、国立「マリウス・ナスタ」肺疾患研究所で開催された世界結核デー記念行事に参加し、ASEFを通じた日本の資金拠出によって購入された感染症検査用設備等の活用状況を視察するとともに、日本とルーマニアが協力して結核撲滅に向けて取り組んでいる現状を紹介しました。日本は引き続き、感染症対策やウクライナ避難民支援を通じて、地域の安定と人々の健康に貢献してまいります。
教育の分野では、昨年11月に、日本からの無償資金協力によってIT機材が供与されたクルージュ・ナポカ、ピテシュティ、トゥルグ・ジウの高校を訪問しました。意欲溢れる優秀な生徒たちの学習に機材が有効に活用されている様子を目の当たりにし、これらの支援が、未来を担う若い世代の学びと成長に寄与していることを大変嬉しく思います。また、3月に当館主催で開催した日本語プレゼンテーションコンテストは記念すべき第10回を迎え、20名の参加者が、それぞれの「伝えたい」を形にして熱く語るプレゼンテーションを披露しました。私としては未来の日ルーマニアの架け橋となるルーマニアの若者に大いに期待したいと思います。私自身の努力としては、日本の外交や安全保障、日ルーマニア関係について理解を深めてもらうため、11月はブカレスト大学、12月には国防大学において、3月にはバベシュ・ボヨイ大学において講義をさせて頂きました。
文化交流も引き続き活発です。昨年11月にはクルージュ=ナポカ及びブカレストにおいて「日本クラシック映画祭2025」を開催し、小津安二郎監督作品を取り上げて、多くの来場者に日本映画の魅力をお楽しみいただきました。また、スポーツ交流では、同月にクルージュ=ナポカで日本人留学生と現地の少年たちによるルーマニア伝統スポーツ「オイナ」の親善試合が行われました。私も現場に駆けつけ試合に参加しましたが、初心者の日本人チームがルールを教わりながら楽しむ姿は、まさにスポーツを通じた友情の育みそのもので素晴らしいスポーツ交流の機会となりました。
12月、議会宮殿ホールにて、当館とユーロ・フォト・アート協会の共催による写真展「日本とルーマニアの文化の架け橋」を実施しました。この写真展では、私とユーロ・フォト・アート協会のトート会長それぞれが日本とルーマニアの各地で撮影した風景写真を展示しました。展示されている写真は同協会のデジタル版記念写真集でも御覧いただけます。写真を趣味とする私はルーマニア各地のフォトジェニックなシーンに感銘を受けておりますが、ルーマニアの方々には日本の風景をご覧頂き、日本に旅行してみたいと感じていただければ幸いです。 3月末には、クルージュ=ナポカ市、ルーマニア・日本協力センター、バベシュ・ボヨイ大学千羽鶴センターとの共催により、「日本文化祭」を開催しました。当館が主催者となってブカレスト以外でこのような総合的な文化イベントを行う機会は少なく、日本の伝統音楽や武道等のパフォーマンスの他、生け花や書道、盆栽の展示など、多くの来場者が様々な日本文化を楽しむ機会となりました。センター周囲では2018年に愛媛県松山市から寄贈された桜が咲き始めており、イベントに花を添えました。
地方交流では明2027年に姉妹都市提携50周年を迎えることを念頭に、3月にコンスタンツァ市を訪問し、キツァック市長を表敬訪問したり、一時帰国した際には横浜市を訪問したりして、周年に向けた意見交換を行いました。
両国は戦略的パートナーとして、政治、経済、科学技術、文化、教育、地方交流と多岐にわたる分野で着実に関係を深化しています。両国のパートナーシップは、まさに天皇陛下の御製に詠まれた「明けの明星」のように、希望と未来を照らす存在であると感じております。
最後になりましたが、私は引き続き、地方を出張する際にはルーマニアの多彩な魅力を探索することを心がけています。その中でも、3月にブザウ県を訪問した際、有名な観光地である泥火山にも足を伸ばし、月面のような独特の景観を堪能しました。ぬかるみの中を歩いていると、履いていた靴の底が粘り気の強い泥にとられてしまうという希有なハプニングに見舞われましたが、身をもってルーマニアの大地の力強さを実感する、思い出深いひとときとなりました。
季節の変わり目でございますので、どうぞご自愛ください。次号でまた報告させて頂くことを楽しみにしております。

駐ルーマニア日本国特命全権大使
片江 学巳
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